表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桑の実をジャムにして…  作者: 花好 モピナ
第5章 修学旅行編
62/241

6 ホテルに着きました~。

(けい)達を乗せたバスは、ホテルの前で止まった。

 ソラ君はバスに降りて直ぐ、体を伸ばしながら大きなアクビをする。

約5時間くらい寝続けたはずなのに、眠そうだ。


「おはようソラ君」


「ん…おはよ…。」


それだけ酔い止めが効いたのだろうか?顔色が悪くない。

挨拶したら返事がちゃんと帰ってきたから、私は一安心した。


「おいケイ、デカくねぇか?このホテル!」


「相野谷くん、お腹すいてない?」


私は紗百合に相槌(あいづち)しながら辺りを見渡す。

吸い込まれるようにホテルに入っていく学生の中に、他校の制服も見えた。

入り口付近はまだ混雑しているようだから

もう少し待とう。そう考え、ソラ君達の方へ視線を戻した。


いつの間にか、ソラ君の周りには女子が。

同じクラスの女子生徒だったり、他クラスだったり

他校の女子生徒まで…約15人くらいの女子達が集まり

一斉(いっせい)にソラ君に話しかけている。

それを見て私が思った事は


(…こっちも混んでいるなぁ…。)


それだけ。

長い付き合いで結構なれているが。何ともシュールレアリスム。

その場にいると、私達の身の安全が保証できないので

中川君と小百合と目を合わせ、女子達に鬱陶しがっているソラ君を

放置してホテルへと向かった。

こういう時、変に女子達を追い払おうとは考えてはいけない。

そう結構前に、私達は学んでいたのであった。


「ねぇ、これから何をすればいいんだっけ?」


ホテルの中で、中川君は私達に尋ねた。

そして、私と紗百合の顔を交互に見て、頭を横に傾ける。

紗百合も先生の話を聞いていなかったらしく、お手上げポーズをした。

私は、バスを降りる前に先生が言っていたことを思い出す。


「えと…確か各部屋に荷物を置き、ホール集合だった気がする。」


「ありがとう白鷺洲さん!!」


そう笑顔で言って、中川君はエレベーターに向かって走りだす。

しかし直ぐ足を止めて、こちらに涙目で振り返る。


「209号室ってどこだっけ?」


「馬鹿だな~中川。209なんだから2階じゃないの?」


「そっか!」と納得する中川君に、誇らしげに胸を張る紗百合。

でも確か、2階はレストランじゃ…。


「馬鹿はお前だ松崎。」


後ろの声に驚き、私は振り返る。

そこには、髪型が乱れた顔色の悪いソラ君が立っていた。

奥の方では、大騒ぎをしている女子の軍団があった。

恐らく目を盗んで抜け出してきたのだろう。


しかし、あれからも女子が増え続け

30人以上と2倍にもなった女子の中から抜け出すなんて

ソラ君は実は忍者なんじゃないかと、たまに思う。

そんな想像している私の余所よそに、口論こうろんが始まる。


「はあ?じゃあ、お前は何階かわかってんのかよ?」


紗百合はソラ君を睨みつけながら尋ねる。

ソラ君は、そんな紗百合に見下しながら鼻で笑う。


「当たり前だ。松崎はしおり見たか?12pに載ってるぞ見取り図が。」


「あっ本当だ~!ありがとう相野谷くん6階だね♪」


中川君はキャリーバックを、その場の絨毯の上で開き、しおりを読んでいる。

それには私達も他の生徒達も驚いた。

 中川君の荷物で、通りにくくなった廊下が混み始める。

私は急いで中川君の荷物を、ちゃんと入れてキャリーバックのチャックを閉める。

中川君は「ごめんね」と謝りながら恥ずかしそうに、はにかむ。

玄関前の女子達の次に騒がしくなったこっちに

1人の女子が、ソラ君がここに居る事に気が付いた。


「相野谷くんがエレベーターの前にいる~!」


そう大声出して、いのししの様に真っ直ぐ走って来る。

その声に釣られ、他の女子達も一斉に振り返る。


「うわ…バレたか。行くぞケイ、中川。」


ソラ君は青ざめながら、私と中川君の腕を引っ張った。

4人でエレベーターに、流れる様に無事に乗り込み6階へと向かう。


「…エレベーター前で良かったな…。」


「そうだね、紗百合。」


「お…お腹すいた…。」


紗百合と私と中川君は息を切らせながら、無事に部屋まで

たどり着いたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ