5 修学旅行は授業の一部 学校行事
7月2日(月)
1週間と言うのは意外にも短く、準備やらで今日まであっと言う間。
長いフライトを終え、私達は沖縄に降り立つ。
私は空港から出て直ぐ辺りを見渡す。
沖縄と言ったら、まず何を思い出しますか?
白い雲。青い空。白い砂浜に、青い海。
しかし今見えている景色の中には
勿論白い雲と青い空が眩しく輝いているが、肝心の海は見えず
空港の大きさを思い知らされるだけでした。
そしてクラス皆で大きなバスに乗り、街中に出ます。
辺りを見渡して、私は目を輝かせた。
沖縄と言うのは都会らしく、大きな店があるし、ビルもある。
私が海が広がる大自然と想像していたのとは違い、驚きながらバスの窓の外を見ていた。
そんな私に、隣に座る紗百合はクッキーを手渡してきた。
「ケイ。菓子食うか?」
「ありがとう紗百合」
私は感謝を込めて、笑顔でお礼を言ってから
『チョコチップクッキー』を食べる。
それを見て、前の座席に座っていた中川君が顔を覗かせる。
「松崎さん。僕も食べたいからお菓子交換しよ♪」
「…ん?いいよ、ホレ」
紗百合が投げたクッキーをしっかりキャッチし、中川君は嬉しそうに笑った。
「ありがとう嬉しいよ。はいコレ」
右手にクッキーを持ちながら、中川君は左手で自分のお菓子を手渡す。
渡されたお菓子を見て、紗百合は目を見開く。
「…おい、違うのは無いか?何か…こう、甘いのとか…。」
「…ん?ホレ以外無いほ?」
クッキーを食べながら、中川君は首を傾げる。
何か問題あったのかな?と、紗百合の事が気になり手に握られている物を確認する。
どうやら貰ったお菓子が、紗百合が最も苦手としている梅干の
カリカリとした食感が有名な『梅干君』だった。
「紗百合、私そのお菓子好きだからグミと交換しよ?」
小百合が好きな、ブドウ味のグミを取り出して
今にも暴れ出しそうな紗百合を宥める。
「わ~い♥ケイ大好き~♥」
そう言って、紗百合は足をバタバタと動かす。
足が座席にぶつかり、寝ていたソラ君が目を覚ます。
さっきまで寝ていたソラ君は、まだ眠そうな顔をしていた。
お菓子を交換して嬉しそうな紗百合は、美味しそうにグミを頬張った。
私は梅干君を食べながら皆の様子を見る。
大きな建物見て騒ぐ男子。お土産についてお喋りを楽しむ女子。
お菓子を頬張る紗百合に、梅干君を食べだす中川君。
酔い止めが効いてて、また眠りだしたソラ君。
これが学校の授業の一環でもあるのに、まだ授業らしさの無い風景を見て
班行動が楽しみだなと思った私がいた。




