13 決意
食事が終わり、俺は食器をお盆に乗せる。
横目でケイを様子を確認する。
ケイはティッシュで口元を拭き、俺に気付いて幸せそうに微笑んできた。
その笑顔に和まされ、つい口元が緩んでしまう。
(あぁ…可愛い…。この部屋にずっと閉じ込めたい。
ケイがいるだけで日々のストレスを全て忘れられ、癒される。)
心の中で首を横に振り、視線を食器に戻す。
皿の上には汁以外、何も残されておらず、作ってよかったと身に染みるが。
(さすがに閉じ込め続けることは、現実的に無理だろう。
ケイの両親が心配し、いつ警察に連絡するかわからない。
遅くても明日には解放させなくては…。)
そう思い、心が痛くなる。
本当は誰の目にも届かない
俺しか知らない場所に、閉じ込めてやりたい。
じゃなきゃ、もう俺は十分気が狂っているが、不安で更に気が狂いそうだ。
頭の中に俺にとって確実な方法が浮かぶ。
(殺しちゃおっか)
いや、今の俺にはそれしか考えられなかった。
今の所、彼女はまだ俺の事を信用しているようだ。
ケイが俺の事嫌いになる前に殺してしまえば、俺の事を好きなケイが手に入るのでは?
幸い俺は死体防腐処理の知識があるし、防腐剤ぐらいなら家の棚にあったはず。
急いで俺は、お盆を持って寝室を出る。
前使った牛刀を手にし、ケイが居る寝室に戻る。
(ケイが怯えないように抱きしめて、気付かない様に殺してあげよう。)
そう思い俺は背中に隠してる牛刀を、しっかりと握ったのだった。




