2 朝は久しく晴れますが
よく考えたら、恋愛漫画は余り読んだ事がないし
恋愛経験全くなかった。
皆様が楽しんでもらえる物語が作れるよう頑張ります。
5月31日木曜日
今日は朝からソラ君はご機嫌だった。
恐らく久しぶりに太陽が顔を出したからだろう。
通学中、楽しそうな彼を横目に私は微笑む。
(天気ではしゃぐなんて、やっぱりまだ子供だな…。)
…なんて思ったことは彼には内緒。心の中にしまった。
私たちが付き合い始めて3日目、2人でいる時間が増えた気がする。
いろんな時間を共にする。それが当たり前なのかもしれないが
(私は彼の隣にいるだけで、すごく幸せです。)
なので、付き合うきっかけになったあの噂には
ちょっぴり感謝していた。
色んな事を考えながら登校していたら
何時の間にか玄関の前に付いた。
ソラ君の下駄箱を覗いてみる。
何時も通り、表紙が可愛らしい封筒が3~4枚入っていた。
(……………むぅ。)
…まあ何時もの事だ。
そう自分に言い聞かせ、自分の下駄箱の方へ向かう。
下駄箱から靴を取ろうとすると、封筒が1枚入っていた。
可愛い丸文字で『白鷺洲先輩へ』と書いてある。
その存在に気がついたソラ君の表情が
強張っているのに気がついた。
彼にとって手紙なんて…そんなに珍しい事じゃないだろうに。
ソラ君だって現に3~4枚持っているし
ラブレターとは縁がない存在だと、自分で認めてる。
私ラブレター貰った事ないし、手紙貰うの初めてだし。
ソラ君以外の男子とは、授業でしか話した事無いし…。
…もしかしたら、この学校のコミニュケーションは
意外にも古風なのでは?
…なので思いつくのは、話しかける事が苦手な
恥ずかしがり屋な可愛い後輩ちゃんの手紙。
「この手紙がまだラブレターとは限らないよね。
可愛い文字だし、女の子からの相談かもしれないな~ふふっ。」
初めての手紙に、ワクワクしながらカバンに入れる。
それを怪訝そうに見るソラ君。
(それに、1枚だけど彼も私の気持ちがわかったんじゃないかな?)
正直言って、自分の好きな人がモテ男だと知っていても
他の女子からの、アタックを見るのは面白くない。
(独り占めしたい、他の誰にも彼が見えなくなっちゃえばいいのに…。)
…心の中がモヤモヤする。
私が何時も抱くのは、そんな気持ち。
「もしラブレターだったら、どうするんだ」
少しいつもより低い声でソラ君は尋ねてきた。
これはきっと嫉妬している。
小さい頃から、彼は何かに嫉妬すると少し低い声になる。
彼の癖の1つ。
…私は嫉妬してくれた彼に、愛しさを覚え
「私が好きなのはソラ君だけだって
伝えるだけだよ♪」
そう笑顔で言った。
すると彼は、目を見開いてから、そっぽを向いた。
ほんの少し耳が赤く染まっている。
更に、シャイな彼が愛おしく思い
「ほら、早く行こうホームルーム始まっちゃう。」
そう言って、彼の何も持ってない方の手を
握って引っ張った。
「うわっ、まって。まだ俺履いてないからっ…!」
「あ、本当だ…ふふっ」
珍しく慌てた彼に、思わず笑ってしまう。
いつもカッコつけてるのにね。
「何笑ってんだよ。さっきまで怒っていたから仕方ないだろ」
「私もいつもソラ君の持っているものに嫉妬してるよ。
だからお相子だね♪」
ムスっと頬を少し膨らませながらも
ソラ君は、素直に私の手に引かれ、教室に向かったのでした。