6 フードコートに中川
映画の内容、とても良かった。
思わずホロリと涙が零れる作品だった。
出口にいるスタッフが、客のゴミを集めている。
それを見て
ポチと少年カブト君が地域復興のため一生懸命、川のゴミ拾いをしているシーンを思い出す。
「相野谷くんゴミ捨てとくね~」
泥まみれになっても止めない彼等に惹かれ、近所の人々が協力し合った所が特に心に残っている。
それなのに…ケイの隣で座っていた松崎は、始まって1分もしない内にヨダレ垂らして爆睡。
信じられない。一番盛り上がった
増水した川で溺れる少年カブト君を、助け出すシーンでさえも爆睡していた。
そうだ…嫉妬で忘れていたが松崎は…
「相野谷くんこの後どうする?お昼だしフードコート行く?」
「本物の馬鹿だった。」
「えっ!?…相野谷くん酷い…。」
しまった、今日は中川と一緒だった。
つい口に出していたようだ。急いで誤解を解かねば。
「えっ!?違う中川じゃなくて映画の中にいた同級生の原田!」
原田は何かと因縁をつけて、カブト君を虐めてくる最悪な奴だった。
それを聞き中川は胸を撫で下ろした。
「なんだ~僕じゃなかったんだね。驚いたよ。」
「ゴメン。つい口に出していた。フードコートね…どうしようかな…。」
実際今はお腹は空いていない。
中川が予想していたより、大量に食べ物を買ってきたせいで
食べ過ぎで苦しいくらいだ。
辺りを見渡すと、ケイがちょうど映画館から出て行く姿が見えた。
考えながら俺等は映画館を出てケイの後を追っていく。
ケイの向かう先はフードコート。そう言えばケイは
ジュースしか買っていなかったけ。
「よし、何か食べようか!」
「うん!待ってました♪」
俺はこれ以上食べられないと訴える体に鞭を打ち、フードコートへ足を踏み入れた。




