10 電話 前編
(今日は、静かに帰りたいものだが…。)
この道を渡らないと回り道になるので、賑わう街の中、
俺は1人寂しく歩いていた。
バックの中から、スマホを取り出し時刻を確認する。
(19時54分か…まだ誰も帰ってないな…。)
俺の家は親2人と俺で、3人暮らしだ。
しかも親は2人共遅くまで働いているので
早くても20時以降じゃないと帰ってこない。
俺は何の仕事をしているのか分からないが、大変だなと思ってる。
なので、遅くまでゲームセンターに引きこもっていたいとこだが
追い出されるので、素直に帰る事にした。
(と、言っても暇だな…。)
ふと獅子の「電話して良いから…。」と言っていた事を思い出し、スマホを操作する。
獅子に電話したら、思ったより早く繋がり、俺は暇だと訴える。
俺の美声を聞いた途端、獅子は何時も通り溜息したのが分かった。
俺は通話しながら、家に続く人気のない道へ足を進める。
そして、心もとない街灯の光を頼りに歩き続けた。
家に帰って5分もしない頃、田中が電話してきた。
俺は、ため息1つ吐きながら電話に出る。
『聞いてくれよ~獅子~実はさぁ…。
暇で暇で♪なぁ、家に着くまで電話付き合ってくれる?』
ウンとも何も言ってないのに、田中は楽しげに1人語りし始めた。
…うんウザイ。
正直言って、すぐにも切りたいところだが
(電話していいから。と、言ってしまったんだよな…。)
手元の漫画を置き、帰りに買ったコーラを一気飲みし
予備に買っといた、もう1本を袋から取り出しフタを開ける。
『…で、俺がやったら一発で電気がついたんよ。』
「それって最後、雷落ちて停電する話だろ?」
『さすが獅子分かってんじゃん♪その通り!
…でさ…俺思ったんだけど…うわ!!?』
下らない話を始めて3分くらいの頃。
突如叫び声とともに、田中の声が途絶えた。
友達に数字入れろと、クレームが来ちゃいましたので
題名の前に入れときます。




