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桑の実をジャムにして…  作者: 花好 モピナ
第3章 殺人鬼誕生編
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4 今泣ける漫画

午後9時頃、櫛田くしだのもとに山本やまもとから通知が届いた。

読んでいた漫画まんがを机に置き、内容を確認する。



 夏はアツシ:櫛田獅子先輩…俺もう()えきれません。


  櫛田っ子:どうした?またお前の親の事か?



山本の親は、実は仮面夫婦らしい。

俺から見ると、仲の良い夫婦だと思っていたが

家では目さえも合わさないらしい。

この話は、1週間前にも山本から相談されており

山本の立場からすると、すごく辛いらしい。



 夏はアツシ:はい。もう嫌になったので、嫌がらせしてやろうと思いました。


  櫛田っ子:どんな事するつもりなんだ?無茶すんなよ


 夏はアツシ:家出してやります。



(家出ときたか…。確かに嫌がらせにはなるし

そこまで危なくないかもな。)


幼稚ようちな山本の考えに安心し、櫛田は微笑みながらスマホ片手に

帰りに買ったコーラを飲んだ。



  櫛田っ子:で、行き先は決まってんのか?


 夏はアツシ:櫛田獅子先輩の所でいいですか?



櫛田は驚き、口からコーラを吹き出す。

気管に入りかけたコーラで、むせ返りながら返信をする。



  櫛田っ子:おい!前にも言ったが、遊びに来るためならいいが

       嫌がらせのためならダメだ!!


 夏はアツシ:先輩ならそう言うと思っていましたw冗談ですよww



(お前の冗談で、俺の目の前は悲惨ひさんな事になってるぞ…)

吹き出したコーラで、読みかけの漫画のページが

所々張り付いていた。



 夏はアツシ:場所はじつはもう決まっていて、ほら夏休み皆で行った

       あそこに行くつもりです。


山本はそう書いたあと、新潟にいがた県の海の家前で

みんなった写真を送ってきた。



  櫛田っ子:ああ、あそこか。まあ無茶すんなよ


 夏はアツシ:はい!あ、土産は貝殻でいいですか?

       前、先輩集めているって言っていましたし。


  櫛田っ子:おお、よく覚えてんな流石山本!!


 夏はアツシ:当たり前ですよw尊敬する櫛田獅子先輩の事ですよ?

       言った事全て、メモするくらいですよww



(へこ)んでいると思っていたが、元気そうだ。

山本の何時も通りの反応に、櫛田は安心した。



 夏はアツシ:では、しばらく電源切りますね。

       最近スマホのGPSで、バレるのもめんどいし。


  櫛田っ子:おう、じゃあまたな。



櫛田は既読が付かないことを確認して、電源切ったんだと思った。


「どうしようかな…これ」


櫛田はベタついた漫画を手に取り、考えたのであった。

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