2 雨は止まない まだ…。
…最近ケイの様子がおかしい。
俺の席は、ケイの席の斜め後ろの席。
先生の無駄話は無視して、俺は窓の外を眺めるケイを見た。
愛おしそうに微笑む優しげなタレ目。
何時も、ツーサイドアップという髪型にしている
少しウェーブ掛かったオレンジ色の髪。
不健康じゃない白く透き通った肌…。
昔から思っていたが、この町1番の美少女だと思う。
だが、1度も告白されたことはないであろう。
何故なら、それはあってはならないものだから。
…話を戻すが
ケイの様子がおかしいのは恐らく、あの噂のせいだろう。
数日前の放課後、見知らぬ女子高生に
玄関という人目のあるところで公開告白された。
(俺はケイを待ち伏せしていただけなのに…。迷惑な話だ。)
そして最悪な事に、ケイにその一部始終を見られてしまった。
…しかし
(あの時のケイの表情、可愛かったな…。)
そして次の日、あの噂で校内持ち切りになった。
…まあそれは別にいい。
ケイの可愛い、思い悩む時の表情。
俺の事でいっぱいになった、あの表情…。
あれを見れるから、噂の真相を言う気が無かった。
…のだが、事態は最悪な方向に向かった様だ。
ケイが俺を避けるようになった。
一昨日までは、一緒に通学していたというのに
昨日から俺から避け
まるで逃げるように1人で通学してるらしい。
…ケイの事だから、俺の事思っての行動だろうけど。
(俺が、他の女に取られたとしても、許せるって事かよ…。)
…なんだか面白く無くなってきた。
ケイは相変わらず窓の外を眺めている。
どこか悲しげなケイの姿を見て、心の中に嫌悪感が広がる。
(ムカつく…。)
何に対してだかはわからない。
ただ、心の中に黒いドス黒い何かが、広がってくるのが分かる。
チャイムが鳴って先生が退出した。
それに合わせて声をかけ、ケイの腕を掴む。
ケイが何か言っていたような気がするが、話を聞くよりも先に体が
人気の無い所を求めながら、ケイを引っ張る。
話が通じない俺の行動に、戸惑ったケイは俺の顔だけを見ている。
その仕草によって、少し正常な意識を取り戻す。
…心なしか、ケイを掴む手に力が入ってしまった気がする。
慌てて手の力を緩めると、ちょうど目的の場所についたようだ。
本当は屋上に出たかったが、雨で濡れるので
人気のない屋上前の踊り場で足を止める。
ここなら誰も来ない。安心して2人きりになれる。
ケイの腕を掴んだまま俺は口を開く。
急な展開に戸惑う、ケイの目を真っ直ぐに見つめて…。