● 13 私は私 じゃあ貴方はどちら様?
薄暗く、蒸し暑い部屋で私は目を覚ました。
すると、3人の男子が、私の体で欲を満たしていた。
何度「やめて」と叫んでも、止めてくれない。
どんなに暴れようにも、簡単に床に押さえ付けられてしまう。
頭はどんなに良くても、力では敵わない。
逃げ出そうにも逃げ出せない。
…ただ私は、「やめて」と言うしか出来なかった。
(あれ…おかしいな)
涙で歪む視界。
叫び続けて掠れてしまった痛む喉
頭の中に走馬灯のように走る、まだ新しい記憶。
(私は苅部ちゃんという女の子とお話しするため
音楽室で待っていたはず。
遅くなるからと、代わりに田中君がジュースをくれたんだよね。
授業以外で、初めてソラ君意外とお話できると思っていたのに…。
急に眠くなった…で、なぜ私はこんな目に遭っているのかな…。)
足元に、自分の下着が落ちているのが目に入る。
(あぁ、ソラ君ごめんなさい。
貴方はきっとこうなると、気付いていたのでしょうね。
しかし私は、信用されてないかと疑い、意地を張ってしまいました。
信じていなかったのは、私の方でしたね。
貴方は心配してくれたのに…。
私は弄れて、最後こんな目に遭っているなんて。
…もう会わせる顔がありませんね……。)
何時間も泣き続けて、懺悔し続けて
目から流れていた涙はもう枯れていた。
何か、もうどうでも良くなってきた。
逃げる事を諦めて目を閉じる。
(こんな目に遭っているのは、きっと天罰なのね。
最愛の彼を、傷つけてしまったから…。
…………もう私消えてしまいたいな…。)
そう思い、願い続けた。
罰ならば、受け入れて、私を殺してしまおう。
遠くから、雨の音が聞こえた気がした。
数分後、強烈な眠気を覚える。
私は、眠気に従った。
深い闇に……落ちていく感覚がした。
(もう、疲れたよ…。おやすみなさい……。)
(…あれ…アタシは誰だっけ?)
目が覚めると見知らぬところにアタシはいた。
目の前にいるのは汚い生き物。それは、ひどい悪臭を放っていて
息を荒げながらアタシに触れてくる。
(気持ち悪いな…。)
アタシは不快に思って、汚い生き物を突き飛ばす。
しかし、そいつは懲りることなくアタシに掴みかかってきた。
(不愉快だな。)
アタシは足で蹴り上げる。
汚い生き物は倒れ蹲る。
汚い生き物は全部で3体いた。
次々掴みかかってくる汚い生き物に、容赦なく
急所に蹴りを入れる。
すると、3体とも蹲り動かなくなったので
汚れを落とす為に、シャワーを探す事にした。
(…そう言えば、ここは何処だろう?)
外へ出ようにも、出口がわからない。
(まあ出口がなくても、シャワーがあれば別にいいけど。)
そう思い、少女はこの建物を徘徊した。




