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桑の実をジャムにして…  作者: 花好 モピナ
第7章 夏休み編
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★ 16 夢 後編



…また、場所が変わったか。


そう思い、手に握られる牛刀ほうちょうを見て微笑む。

俺の目の前には、櫛田くしだ 佳祐けいすけ山本やまもと 淳平じゅんぺい

佐々木(ささき) 壱夜いちや相原あいはら れんがコンクリートの壁を背に、俺をにらみつけていた。


俺に向かって4人は何か怒鳴っている様だが

雨の音でき消されて聞こえない…のかな?知らん。


でも、何となく言っている事は分かった。

でも、何故か答える気にはならなかった。


…まぁ、どうでもいいや。何度だって殺してやるよ。


最後に残った櫛田は、眼を大きく開いて口を、鯉のようにパクパクさせた。

その後大きな咳をして、血を吐きながら

ふらつく足で、俺から必死に逃げようとする。


頭を地面に押し付けて、動けなくする。

ズレると余計に時間を掛けることになるから、一発で。

櫛田の目と目の間に牛刀(ほうちょう)を突きつけ差し込んだ。



…さぁ、さっさと全部片付けて夢から覚めよう。



そう思って顔を上げると、自分の身長が縮まっている事に気が付いた。

名札には『とら組 あいのや そら』と、書いてあった。

どうやら保育園の頃の様だ。


…まだ起きれないのか…。


どうやら時刻は18時頃。

帰りの時間であり、夏なので外は未だ明るく

空はオレンジ色に染まっていた。


竹林たけばやし君~。お母さんが御迎えに来ましたよ~。」


先生の声が聞こえてきた。

竹林たけばやし あゆむが元気良く駆け抜けていく。


…たしか、俺が引っ越してきて7日目の頃だっけ?


そして、竹林…ケイの事が好き過ぎて苛めていた男子が死んだ日。

ケイは知らないが、あれは事故ではない。


俺はこっそりと部屋から抜け出し、門の脇の木に身を潜める。

過去の俺は、転園して直ぐ

竹林を殺すために簡単な罠を作った。

ただひもを、俺の方とは反対の方に結びつけただけ。

唯転ばすだけでも、殺す事は可能である。


お母さんの後を追いかける竹林の足を、引っ掛け転ばせる。

転んでうずくっている時、丁度走ってきた自転車に引かれた。

非現実過ぎるかもしれないが、不運が重なれば

誰だってそんな簡単に死ぬ事だってあるのだ。


…まあ、これじゃあ即死とは行かないけどね。


自転車に乗っていた人と、お母さんが心配する中

竹林はふらつきながら立ち上がる。

そして、いい笑顔で口を動かした。

今の俺には聞こえないが、この時竹林は


泣かなかったよ、お母さん。えらいでしょ?俺は男だからな。

いつかお母さんとケイちゃんを守れる男になるんだからな。


そう言って、お母さんの手を掴み、歩き出した。

お母さんも、自転車に乗っていた人も一安心して、家に帰っていったのだ。

そんな健気な事があったが、竹林は事故にあった時

運悪く頭の血管を切っていたみたいで

苦しみながら数時間後に病院で死んだらしい。



…おい、俺は何時になったら起きれる?



俺は隣に歩いているツインテールの女の子に尋ねた。

ツインテールの女の子…ケイの小学生の頃の親友

上野うえの 友代ともよは笑いながら答える。


「アタシで最後。大丈夫ケイが来たら死ぬから。」


…そうかよ。


俺は苦笑いしながら髪を掻く。

やっと夢から解放されるのだ。本当に清々する。


…そう言えば、お前はケイに何か又手を出してるのか?


俺は上野に掴みかかりながら尋ねる。


「手を出したら、貴方にまた殺されちゃうじゃん」


上野は、そう言って俺の足を蹴った。

この行動は、過去の同じ事やっているだけけど

過去でも夢でも痛いものは痛い。


「多分ね、ケイは私が死んだときのショックであの時

もう1つの人格を作ったんじゃないかな?」


…お前が死んで1週間後、お前の事全て忘れてたしな。


「あはっ。それは残念。」


後ろからケイの声が聞こえてきた。

同時にトラックが走ってくるのが見えてくる。

すると上野は、バランスを崩しトラックの方へ体がかたむく。


「このままだと多分お前ら、両方死ぬぞ?」




「…どういうことだ?上野。」


俺は目を開けて、この世に居ない上野 友代に尋ねる。

しかし返事は返ってくる事はなく、波の音と

小鳥のさえずりが聴こえてくるだけであった。

とら組 竹林たけばやし あゆむ6歳


将来の夢

どこかの社長になって

ケイちゃんと結婚する。


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