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桑の実をジャムにして…  作者: 花好 モピナ
第7章 夏休み編
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13 朧気

「失礼します。紅茶を持ってまいりました。紗百合様」


「ん、ご苦労」


草木の香りがする部屋の中に、紅茶の甘い香りが立ち込める。

その匂いにうっとりしている私に、五月さんが質問してきた。


「ケイちゃん、告白ってどんな感じだったか教えて♪」


「え?屋上前の踊り場で告白されましたね。

ふふっ懐かしいです。」


「で、どんな感じだったの?」


「それはですね…。」


その時の事を伝えると、ソラ君と憲志さん以外の3人が騒ぎ出す。


「ちょ…それ、ソラちゃん大胆~」


「相野谷くん凄いね!びっくりだよ♪」


そう言って2人がニヤニヤしている中、紗百合は


「…あぁ。あの時か~!!」


そう言って頭を抱えていた。

そろそろ痺れを切らしてきたソラ君が


「なあ、そろそろトランプとかしないか?」


と、私たちに尋ねる


「ソラちゃんは黙ってて。今ガールズトークの途中だから!」


「…ガールズトークって…。」

(お前男だろ?それも中川も…。)


「まあ、突っ込まないで。2人でトランプでもしようか。」


憲志さんに誘われ、文句言わずトランプを始めたのでした。


「じゃあさ、その後愛の試練とかあった?」


「う~ん?」

(愛の試練…か)


突如、頭の中に謎の映像が流れ出す。

暗いじめっとした部屋、声が枯れるまで泣き呼ぶ声

雨の音。足元に、自分の下着が落ちているのが目に入る。


「…知らない。」


「ケイ?どうしたの?」


心配そうに話しかける紗百合の声に、意識を取り戻し

深呼吸をする。


(3人の男子がそこに居た。見た事があるはずなのに

知っているはずなのに思い出せない。顔は朧気おぼろげで…。)


「白鷺洲さん何だか顔色悪いねぇ。少し休もっか」


中川君がソファーを進めてきた。


「…あ…ありがとう。ごめんね。心配かけて」


私は、それに従いソファーに座る。

そして、冷たくなった紅茶を頂き、一息つく。


(それにしても…さっきの映像はなんだったのかな?)


楽しそうに話をしている皆を眺めながら

私の顔は、何故か微笑んでいたのでした。

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