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桑の実をジャムにして…  作者: 花好 モピナ
第2章  人格破壊編
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8 勝負?ふざけんな

息をひそめて、ケイの後を気づかれない様に


(何処どこへ向かうのだろうか…。)


後を追う、(ソラ)の存在に気づかず

目的地もくてきちを目指して足を進めるケイ。


丁度2階に差し掛かった時、ソラの前に

仁王立におうだちした、1人の男が立ちはだかる。


俺はその男を無視し、ケイの方へ向かおうとする。


余りにも無関心な俺に、男はあわてながら

俺の右肩をつかんで、必死に行く手を(はば)んだ。


「…何のつもりだ?櫛田(くしだ) 佳祐(けいすけ)


俺は、邪魔じゃまする櫛田を

カエルを見るへびの様ににらみつける。


櫛田は自慢のライオンの立髪の様な髪を、で上げながら

負けず睨み返して来た。


「はっ。名前覚えてるなんて意外だな…話がある。」


「俺は、お前に話しているひまなどない。もう行く」


「おい⁉待て待てまて…!!」


俺は、右肩に掛かる櫛田の手をはらい、ケイが居た方を見る。

しかし、そこにはケイの姿はすでに無く…。



「ケイちゃんについての話なんだが?」


「…ラブレターの主はお前なのか?」


話の途中とちゅうで櫛田は階段をのぼり、あごで使う。

…付いて来いって事だろう。

だが、なんかしゃくに障るから、言う事聞きたくないんだけど。


「ははっ…ラブレターは俺じゃない。山本だ。」


「1年の山本(やまもと) 純士(あつし)か…。」


俺がソイツの名前をさらりと言い当てると

櫛田は鼻で笑い、ソラを階段の上から見下みくだす様に見下みおろす。


「つっ立ってないで、早く来いよ。」


「…………。」


ケイの居場所がわからない今、何もしないわけには行かない。

本当は櫛田(コイツ)を置いて、そのまま探そうと思ったが

仲間とつるんでケイに、ちょっかいを出していると言う事は

今回阻止しても、次回があると言う可能性がある。


(悩みの種は、早めにんどいた方がいい。)


そう思い俺は、静かに口元をゆがませ

櫛田の後に付いて行く事にした。



室名札(しつめいふだ)には『科学室』と書かれたこの部屋で

男2人が立っていた。


「今から明日までの間、ケイちゃんをあずかる。」


「どういう意味だ。」


「制限時間は明日の午後6時。」


「は?」


櫛田は(確実に自分達が有利だ)と

勝ちほこった笑みを浮かべ、無表情の俺に向かって言う。


「ゲームをしようか、相野谷(あいのや)君?」


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