11 懐かしい
別荘に帰ると、勝又さんが
醤油ラーメンに中華丼や餃子を、調理して下さった。
どれも、本場の中華料理店なみの美味しさで
私達は舌鼓を打った。
食べ終わり、食事の後片付けを済ませ
皆はソファーや椅子などで
寛ぎ始めると…
「ねえねえ、明日帰っても連絡取れるように
電話番号交換しよ?」
五月さんがスマホを手に持ち、そう私達に尋ねた。
皆で交換し合い、楽しそうに笑い合う。
1人を除いては…。
「…ソラ君、どうしたの?」
「あ…いや、6年だけの付き合いだったのに
懐かしく感じたな…と思って。」
そう言って、軽く頭を掻いた。
悲しそうな表情を浮かべるソラ君の手を握り
慰めるような、優しい笑を浮かべる。
ソラ君は一瞬驚いた様だが、悲しそうな表情で笑い
私の手を握り返した。
「ここを離れて10年か…長かったような気がする。」
「…うん。」
「引っ越してなかったら、ケイと出会えなかったんだろうな。」
「そうだね。…あの時、ソラ君が来ていなかったら
今の私は居ないね…。」
私とソラ君が、しんみり話をしていると
私達の方に、皆の視線が集まった。
「今のケイが居ないって…どういう事か?」
紗百合は私の方へ歩み寄り、真剣な表情で尋ねてきた。
「私じゃない私かな?…ほら…性格が変わるとか?」
「ん〜?よく分かんねぇな。…」
そんな中、中川くんはソラ君の方へ歩み寄り
しみじみと嬉しそうに呟いた。
「相野谷くんが居なければ、僕ボッチだったねぇ。」
「…あ?今でもよくボッチだろ。」
「ひどいっボッチじゃないもん。」
中川くんは、ソラ君の辛口のツッコミに、頬を膨らませる。
「そう言えば、ソラちゃんとケイちゃんは
どんな出会いだったの?」
五月さんが、そう尋ねてきた。
それに合わせて憲志さんが「気になるな。」 と呟くと
紗百合と中川くんも並んで頷く。
私はソラ君の顔を見る。
ソラ君は何か、バツの悪そうな…と言うか
恥ずかしがっている様な…良く分からない表情を浮かべていた。
だから私は
別に隠す様な事じゃないから、話してみる事にしてみた。




