7 今日は5月じゃなくて7月ね
ほんの2.3分前までは居たソラ君は
中川君に連れていかれて、まだ帰って来ない。
五月さんが、私に可愛らしい顔で話しかけてくる。
少しの間だが、妬んでしまった事に罪悪感を覚えながら
話を合わせる。
「ケイちゃん、実はソラちゃんってジャムが好きなんだよ。」
「えっ!?」
ソラ君の好きな物と聞いて、私が飛び付く様に反応を返すと
五月さんはクスクスと笑う。
何か変な顔をしていただろうか?
私が不安そうな表情を浮かべると、五月さんは
「いやぁ、ソラちゃんの事になると、良く食いつくなぁ~っと思って。」
そう言って、笑顔で自分の顔をトントンと、2回指差す。
(それって…顔に出ていたって事?!)
自分の顔が熱くなるのが分かった。
私が慌てて、手で顔を仰ぐと五月さんは
「…可愛い」
そう言って、私の頭を撫で始めた。
私が頬を膨らませながら
「からかってんですか?」
そう言うと、頭を横に振りながら撫で続けた。
悪気は無いらしい。
「今度作ってあげたら?喜ぶと思うよソラちゃん。
多分、今でも朝食はパン派だから。」
「そうしてみます。」
私は、やる気を見せるために、顔の前に両手で握り拳を作った。
すると、五月さんは「きゃ~!!」っと奇声をあげ
手の動きが、更に早くなった。
…撫でられるの好きだから、文句は言わないけどね。
五月さん気づいて…。髪型が大変な事に……。
ボサボサになった髪を、ちょうど戻ってきたソラ君が見て
…吹き出した。
ブハッと言う良い音をたて、ソラ君は笑うのを堪えようと
口元を左手で覆いながら、笑っている。
それを見て、五月さんは「自分のせいだ。ごめんね」と言いながら
狼狽する。
「ふぅ…ご…ごめんねケイ。後で俺に髪型いじらせて?」
「…いいよ。五月さんも気にしないで。」
(恥ずかしかったけど、これくらい大丈夫。)
そう言って、私は微笑む。
すると、五月さんは嬉しそうに笑いながら、私の頭を撫でた。
五月さんは、撫でるのが好きな様だ。
…それから、ソラ君に髪をしばってもらい
皆で、お話やゲームをしているうちに、夕方になっていた。
暗くなる前に、五月さんと憲志さんは
「明日朝、遊びに行くね」
そう言い残して、帰って行った。




