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桑の実をジャムにして…  作者: 花好 モピナ
第7章 夏休み編
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6 ボッチなボク

3人が、出掛けたのに気がついたのは今さっき。

皆の声が聞こえないと気付き、外の車を確認して

置いてかれたと理解した。


「皆酷いよ…何で僕を連れて行かないのさ…。」


この別荘の管理人、勝又かつまたさんを置いて

なかがわは松崎さんの別荘で1人、座り心地のいいソファーの上に

文句言いながら座っていた。


「せめて、一言ぐらい掛けてくれても良いじゃん…。」


勝又さんが、さっき用意してくれた紅茶を片手に

頬を膨らませる。


(まぁ、さっきまで1人ではしゃいでいた僕も悪いけどさ~。)


そう少しは反省し、僕は紅茶の香りを楽しみながら口にする。

…美味しい。いい葉を使っている様だ。


僕がしばらく、紅茶を楽しみながら

窓の向こうに広がる海を眺めていると

皆が帰ってきた。

僕は嬉しくて飛び跳ねながら、お迎えに行く。

そして、元気よく飛び切りの笑顔で声をかけた。


「お!おかえりなさ……え?」


「ん…?ただいま?」


しかし、そのいきおいは

松崎さんの隣にいる、男性を見た瞬間消えた。

頭の中で色んな関係図が浮かび上がる。

頭の中がゴチャ混ぜになり、挙句あげくには思考停止。


男と松崎さんは、楽しそうにバスケのお話をしてる。

何時いつもなら、僕も入りた~い!と言って、簡単に割り込めるのに

体が動けない。


鼓動が激しい。呼吸が乱れる。

頭がくらくらする。2人を見てイライラする。

などと、風邪にも似た症状が、僕を襲った。


「…もしかして、これは…」


俯きながら苦しい胸を、右手で押さえて

僕は深呼吸をする。

そして、冷めても美味しい紅茶を一気飲みをした後

相野谷君の方へ歩み寄る。


白鷺洲さぎしまさんと、相野谷くんと、あと1人

女の格好をしている人が、楽しそうにお話をしていたけど

僕は特に苦しくならなかった。

むしろ楽しそうにしているのを見るのは、僕自身も楽しくなる。


(やっぱり…。)

「相野谷くん、相談に乗って!」


唐突とうとつすぎて、展開が分からないんだけど…。」


僕は相野谷くんの手を掴み、皆がいるリビングから離れた。


この別荘の管理人、勝又かつまたさんからみた

中川の第一印象は


落ち着かない子だった。


別荘に入って来るなり、ドア、壁、床、玄関

窓、ベランダ、家具…等

一つ一つ、目を輝かせながら歩き回る所を見て


(貧乏な子なのかしら。

それとも、頭のネジが、足りない子なのかしら? )

と、あわれみの表情を浮かべていた。


しかし、大人しくソファーに腰を掛けて

出された紅茶を優雅ゆうがに飲む。

紅茶を受け取る時、感謝の言葉を言った中川を見て

勝又さんは


(テンション上がって、跳ね回ってただけなのね。

お利口さんじゃない〜。)


と、中川を見直したのだった。

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