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7 6月1日 金曜日
ケイが学校を休んだ。
昨日あれから家に寄ったが、ケイの母に
良く寝てるという事で、話し合う事さえ出来なかった。
「…今日じゃないって事か。」
放課後の、誰もいない教室で、俺は呟く。
余裕が出来たかも知れないと
正直安堵感を覚えた。
…だが、直感が今日ではないかと訴える。
(昨日でも今日でも無ければ、何時なんだ?)
俺は考える。
早く、この不安を間際らしたい。
早く、ケイの明るい笑顔を見たい。
だから、不安源を早く無くしたい…。
俺は、窓の外を見て溜息を吐く。
(ケイが素直に教えてくれてたら、少しは楽だったのにな…。)
甲子園に向けて走り込む野球部
サッカーボールを必死に追い掛けるサッカー部員達
その中に、校庭の方に1人の人影を見つけた。
よく見ると…それは…
「ケイ!?」
辺りを見渡したりコソコソと、まるで誰かから隠れる様に
校内に入るケイだった。
「やっぱり今日だったか…。」
俺は、ケイが見えなくなった窓から離れ、教室を出た。




