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ラッキー・スケベ

 

 機械神は『しびれく〇げB』と呼ばれた事にご立腹の様だ。


 無意識とはいえ、なぜ俺は「機械神……」って言ってあげれなかったんだろう。

 俺は自分のアウトプットの不器用さに落胆した。


 機械神、すごい事になってる。

 すっごいオーラ出てる。変な魔方陣出ちゃってる。衝撃波ビシビシきてる。でっかい槍とかでっかいバズーカとか出してきてる。

 とりあえず分かった事は、この方は癒し系とかでは無い。



 どうしろと? 


 俺はまたため息を一つ落とし、思い出した様に極天使に目を向けてみる。



──問題無い。最終形態だ。


 ああ、こんなにオーラ全開で……って、おいおい、スカートめくれ上がってんぞ。オーラの勢い余ってスカートが。


「……おい」

 と俺はさりげなく目を逸らし、自分の腰元を人差し指でちょいちょいと指し示し、それとなく彼女に教えた。


 極天使は「ん?」といった感じで自分の腰元に目を向ける。

 そして恥ずかしげにうつむいて、さりげなくスカートを両手で押さえた。と同時に、彼女の形態が前に戻る。



……なんという事だ。俺は正解にたどり着いてしまった様だ。


 ラッキースケベ。

 超越者の無慈悲な怒りすら抑え込む永劫の真理。

 そう、言葉など、要らなかったのだ。

 エロはどこまで強いんだよまったく。けしからん。


──しかし機械神はどうすればいい?! 奴の暴走を抑える手段がなくては全てが無意味だ!

 考えろ俺! 

 冷徹な機械の弱点……それは……。

 俺は鋭い眼差しを機械神に向けた。

 

──と、機械神は自分のマントでさりげなく腰元を隠した。形態も戻っている。


「……いやいやいや」

 無い無い、と俺は手を横に振った。



──しかしチャンスだ! ヤツらの力が弱まっている今を措いて、この悲しい戦いを終わらせる事など出来ない! 



「……あの、日本に行きたいんですが、どっち行けばいいですか?」

 俺は極天使に訊いた。素直に言えたと思う。


 

──変な間が空き……。

 きょとんとした極天使はやがてモジモジとした感じで「あ、アッチ」と指を差す。


 そうですかアッチですか。

「ありがとう」と小さく会釈をして、俺は謎空間をカシンカシンと、その方向に歩き出した。



 



──戦いは終わった。


 しかし、光が生まれれば、それと共にまた闇も生まれる。

 

 ふと、ヤツの言葉が脳裏をよぎる。


「あ、アッチ」


 それは近い未来、ヤツが復活する事を意味しているのではないか。


 そう、俺の戦いは、今始まったばかりなのかもしれない──。

                                   END



 などと言ってる間に『しび〇くらげ』達といい感じに距離が離れたんで、ドキドキしながら振り返ってみると、あいつら超コッチ見てる。



「──何見てんだゴラァぁ!!」


 俺は言い放ち、ヤツらの最終形態を確認するとダッシュで逃げた。



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