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抜刀しただけですからセーフだと思います!


「こら、まてまて。お前、勝手に話を進めているが──」

「おいガキぃ。遊び人だか何だかしらねえが、とっとと失せろや。『ゴドーの牙』の恐ろしさを知ったらションベン漏らしちまうぞ?」


 何か受付の兵士が俺に言ってきたのだが……割り込む形で、汚ねえ鎧のロリおじさんが馬鹿にした様に顔をにやつかせ、幼女マウファーと手を取り合う俺を低い声で脅してくる。


──なんて恐ろしいおじさんなんだ……。だが俺は屈しない!



 俺は幼女と握る手をゆっくりと放し、おじさんに向き直ると……


 恐怖に震えるマウファーを守るため、毅然と立ち向かったのだ!


「バカヤロウ!! コレを見てモノを言え!!」


 言い放った俺は、我が漆黒の魔装に手を掛けると勢いよく、前をはだけた。


「あ、あ~!! こ、このヤロウ、既に!!」

「ぐしょぐしょじゃねーか!!」

「うわ汚ねえ!!」

「えんがちょー!!」

 

 さらけ出された、俺のズボンの湿りまくりな股間部分に──ロリおじさんの驚きの声を始め、周囲から悲鳴や嘲笑が巻き起こった。

 

 あ、さっきアグレッシブなガキに水鉄砲で股間を銃撃された時のヤツです。


「あ、あ」なんて小声で慌てふためきながら……マウファーが取り出したハンカチで俺のヤバ濡れデリケートゾーンをふきふきするもんだから、俺も思わず「あ、あ~!」なんて敏感な声をつい漏らしちゃうと、ロリおじさんは「あ、あ~!」と、ナゼか羨ましさが混じったような叫び。



「……ふ、ふん。ただの頭おかしいガキか。おいポーダ! もう構うな!」


 そう言ってつばを吐き捨て、サーベルを納めた金髪リーダー。


 だがポーダという名のロリおじさんは顔を真っ赤にしてリーダーに詰め寄った。

「待ってくれよリーダー! こんな変なガキに舐められっぱなしじゃ俺の気が済まねえよ! こうなったらお嬢ちゃんのオシッコしてるところ拝むまでは、俺ぁ一歩もここを動かねえよ!」


 

 ほ、ほう。相当な上級者よ。その覚悟やよし。

 

 超越者としてはこのナイス変質者の期待に応える義務もあるのではないか──?

 などと思いつつも周囲の傭兵達と一緒に、おじさんの覚悟にドン引く俺。

 あ、ちょっと幼女。もう大丈夫だから。ね? そんな懸命にゴシゴシしてもらっても、その、悪いんで。


「──いいからオマエもとっとと受付を済ませろ! 女が欲しいならクエストの後にしろ!」

「ば、バカにしないでくれよリーダー! 俺は女が欲しくて言ってるんじゃねえ! ──俺がいつだって求め、探してきたのはオシッコだったって、俺はやっと、気付いたんだ!」



──な、なんて清々しい……。

 もはやロリおじさんに一切の迷い無し。通報してぇ。

 

 

 変態の言い分は中々聴き逃せないものがあったが……奴の話術にのめり込むのは危険だ。

 もう、コチラも特殊な世界に興味を抱いてしまう前に、清々しい中年をるしかないだろう。


 

 金髪リーダーとロリおじさんがごちゃごちゃ言い合っている間に、俺はロリおじさんの背後に回ってヤレヤレと、ズボンのチャックを下ろす。



「──負けたよオッサン。ご褒美だ」



 自嘲の様な微笑みで、そう告げた俺は……



 遂に神々しくも光り輝く我がエクスカリバー、『聖剣ペニー』をゆっくりと──! ゆっくりと、ヌイたのだ! 両手でヌキまくったのだ! 



──はあ?! 抜刀ばっとう! 抜刀の事ですが?! 

(※抜刀でもアウトです)



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