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記録6 運命(さだめ)

新たな登場人物なし。

ピピピピピピ


勇輝の携帯がなる。

勇輝は携帯のディスプレイを見ると、「母」となっていた。

「もしもし。」

『勇輝!?今どこにいるの!?お父さんがね変な人たちに噛まれて苦しそうにしてるの!早く帰ってきて!』勇輝の母親はかなり混乱している。

勇輝は我に帰る。

「ちょ………家にいるのか?」勇輝が聞く。

『そうよ!早く帰ってきて!お父さんが苦しそうなの!病院はどこもパニックで駄目だし、救急車も読んでも来ない!早く………』勇輝の母親が静かになる。

「どうした?」勇輝が聞く。

『お父さんが起き上がった………』母親は信じられないような声だ。

「離れろ!もう俺と母さんが知っている親父じゃない!」勇輝は必死に訴えるが母親は聞いてない。

『何するの!?やめて!あなた!』母親が抵抗してるらしい。

『いやッ!ギッ……』そこで電話は切れた。

勇輝は携帯を静かに胸ポケットにしまう。

「ハハッハハハハハ!」勇輝は狂ったように笑う。

遥と七奈美は静かにそれを見る。内容は大体分かってしまったようだ。

「ハハ………」勇輝は大人しくなる。

そして、しばらくして勇輝が聞く。

「これからどうする?」

二人は意外だった。

予想ではまだ落ち込むかと思ったからである。

しかし、うつむいたままである。

「とにかく今家族の安否を確認したいんだけど……」そう言ったのは遥である。

唯一家族の安否がわからないのである。

結局その場で安否を携帯で確認することになった。

遥は携帯をスカートのポケットから出して電話をかける。

「もしもし………そう……………大丈夫だから………わかった。それじゃあ切るね。」

遥は携帯を切る。

「どうでした?」七奈美が聞く。

「もう石川から脱出するけど、一人で大丈夫か?だって、大丈夫って答えたら先に行くから絶対に脱出してね。だって。」遥が言う。

「そうか。それは良かったな。」勇輝が気がつくと近くに来て言っている。

思いきって七奈美が聞く。

「何でそんなに早く立ち直れるの?」

「何か、「運命(さだめ)」って考えるとどうでも良くなってきてな。」勇輝が言う。

二人はホッとした。

「田中くん。体操服のジャージ持ってない?」遥が聞く。

「何でですか?」勇輝が不思議に思う。

「蹴るときに素肌に当たると意外と痛いのよ。さらに寒いし。それと………恥ずかしい。」遥が言う。

「そういう理由ですか。良いですよ。」勇輝はエナメルバックから体操服のジャージの長ズボンを取り出して遥に渡す。

七奈美も長ズボンを取り出してスカートの下にはいている。

寒さ対策だろう。

女子二人はスカートの下に長ズボンをはいた。

「荷物は置いていくか。」勇輝が言う。

「そうした方が身軽だしね。」七奈美も言う。

近くの机にバックを置く。

「大原先輩は?」勇輝が聞く。

「私はいつも貴重品は持ち歩いているから教室に起きっぱなしで良いわ。それと、二人とも敬語はやめてくれる?これから長い付き合いになりそうだら。」遥が言う。

「わかりました。」勇輝が言う。

勇輝は携帯電話、生徒手帳(学生証と一緒になっている)、財布、家の鍵を持った。

七奈美と遥も同じ持ち物だった。

勇輝は近くに置いた金属バットを持った。

「とにかくここを出ましょう。問題は移動手段………」勇輝が言う。

「そうね……いま徒歩はかなり危険だし、それに歩いていたら下手すると日が暮れるわね。」七奈美が言う。

しばし、3人は考える。

遥はおもむろにグラウンドを見る。

ゾンビはそれなりの数がうろついていた。

見た感じ20体くらい。

すると、グラウンドの運動部の部室棟(勇輝が金属バットを手にいれた小さい平屋見たいな所)の横に白いワゴン車があることに気がつく。

白いワゴン車は学校が保有している物で、何か大量に運ぶときに使われる物である。

「学校のワゴン車は?」遥が聞く。

「鍵は?」七奈美が言う。

「置いてある場所なら知ってるわ。職員室の壁にある鍵掛けにある。」遥が言う。

「それじゃあ、運転は誰がするのよ?」間髪いれずに七奈美が聞く。

「う………」遥は言葉につまる。

「田中くんがするよ!」遥が指差して冗談半分で言う。

「出来るけど。」勇輝が言う。

「へ?」遥は予想外だった。普通、高校一年では車の運転はできないはずだからである。

七奈美も予想外だった。

「何で出来るのよ。」七奈美が聞く。

「それは今度話す。とにかく職員室に行って鍵を手にいれよう。」勇輝が言う。

3人は音楽室から出た。

ゾンビは一体もいない。

「これならすぐに行けそうだな。」勇輝が言う。

そして、3人は職員室に向かった。

感想よろしくお願いいたします。

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