最終記録 死
(祝)最終回!
国立病院機構 富山病院に石川県から避難してきた人たちが一時的にいた。
七奈美は個室で横になっていた。
「…………ここは?」七奈美が目を開けると、ベットの横には鈴が椅子に座っていた。
鈴の服装は完全に私服だった。
「仕事は……?」七奈美が聞く。
「辞めちゃった。」鈴が言う。
「何でですか!?」七奈美が起き上がる。
「あ!まだ寝てなくちゃダメだよ。」鈴が言う。
七奈美は再び横になる。
「非常事態とはいえ一般人に拳銃渡しちゃったからね。」鈴が言う。
「そんなの……良いじゃないですか!」七奈美が言う。
「まぁ、自分から辞めたんだけどね。」鈴が言う。
「…………。」七奈美が黙る。
「それにしても、2日間も寝てたんだよ。」鈴が言う。
「そんなにですか!?」七奈美が驚く。
「聞きたいことあるなら知ってる範囲で教えるけど。」鈴が言う。
「じゃあ、社長はどうなりました?」七奈美が聞く。
「………藤田容疑者ね。」鈴が言う。
「容疑者?」七奈美が聞き返す。
「そう。容疑者。会社や、自宅に捜索が入って押収された資料から武器の売買記録が見つかったんだって。」鈴が言う。
「石川県は?」七奈美が聞く。
「結局、騒がれていた空爆作戦は北朝鮮のEMP攻撃で中止。北朝鮮の行動を宣戦布告と見なして今、緊迫してるわ。それと、封鎖の解除の見込みは無いって。」鈴が言う。
「第三次世界大戦………」七奈美が言う。
「ならないと良いんだけど………」鈴が言う。
「……………。」七奈美が黙る。
「……もう無いなら行くよ。」鈴が言う。
「最後に二つ聞いていいですか?」七奈美が聞く。
「良いよ。」鈴が言う。
「勇気達の死体はどうなりました?」七奈美が聞く。
「多分、どこかに建てられる慰霊碑に安置されるわ。」鈴が言う。
「最後に……お父さんと、お母さんは?」七奈美が聞く。
「……………。」鈴が黙り混む。
「うそ……でしょ………。」七奈美が言う。
「ご両親は、検問所にいるときに感染者にいきなり襲われて………。」鈴が言う。
「そうですか………」七奈美が言う。
「………親戚はいる?」鈴が聞く。
七奈美は首を横に降る。
「そう………、これから小鳥遊ちゃんの引き取り先を探すからついてくる?」鈴が聞く。
「良いです。」七奈美が言う。
「そう………外には出ない方が良いわ。」鈴が言う。
「どうしてですか?」七奈美が聞く。
「外見ればわかるよ。」鈴が言う。
七奈美は外を見る。
外には集団で何かを言っている人々がいた。
その手には「人殺しを許すな!」「人殺しには処罰を!」と書いた看板を持っていた。
「もしかして………」七奈美が言う。
「そう、あなたのあの行動はお茶の間に生中継されたわ。」鈴が言う。
鈴は部屋の壁掛け時計を見る。
「私、行かなきゃ。」鈴が言う。
「色々ありがとうございました。」七奈美が言う。
「良いのよお礼なんて。」鈴が言う。
鈴は病室から出ていった。
外では、警察がデモ隊を中に入れないようにしていた。
七奈美はホールに向かった。
ホールには人はそこまでいなかったが、警備員がいた。
「わぁあああああああああ!!」
すると、一人の男がホールに入ってきた。
後ろからは警察が追っている。
男の手にはサバイバルナイフが握られていた。
男は一直線に七奈美に向かってくる。
警備員も男を取り押さえようとするが、男がサバイバルナイフで警備員を切りつける。
警備員は切られたところを押さえて倒れる。
周りの人は悲鳴をあげて逃げていく。
(足が動かない……)七奈美は足がすくんで動けない。
男は一直線に七奈美に向かう。
そして、サバイバルナイフを七奈美の胸に刺す。
「ゲボッ………」七奈美は口から血を少量吐く。
七奈美はその場で倒れる。
胸にはサバイバルナイフが刺さったままだった。七奈美の周りに血の海が出来ていく。
薄れ行く意識の中で鈴が駆け寄ってくるのが分かった。
後ろでは、七奈美を差した男が押さえつけられているのも分かった。
そして、七奈美は静かに目を閉じた。
ー東京渋谷区渋谷駅前スクランブル交差点大モニターー
「今日、昼頃に国立病院機構 富山病院で殺人事件がありました。被害者は、石川県感染爆発封鎖事件の生存者である石川県立鶴来高等学校1年2組 小鳥遊 七奈美16才です。死因は刃物による出血性ショック死です。犯人は、株式会社KANAME本社勤務の佐藤 秋で容疑者で、警察への取材で殺害の理由は、「俺の人生をメチャクチャにしやがった報いだ!」と、話しているようです。警察ではさらに詳しい動機を調べている模様です。」
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