記録4 生徒会長
大原 遥(おおはら はるか)
石川県立鶴来高等学校 3年3組 文系・理系
部活 帰宅部
身長170㎝ 体重58㎏
胸はDカップある。
鶴来高等学校の生徒会長。
空手の有段者であり、中学3年で一度県大会優勝を果たしている。
臆病。キレると………
料理はそこそこ。
勇輝は真ん中でくの字に折れたビニール傘を持ちながら驚いていた。
「何で立ち上がれるんだ!?横腹に当たっただろ!?」勇輝が言う。
勇輝達の目に前に立つ男はゆっくりだが勇輝達に近づいてくる。
先ほど勇輝は目の前に立つ作業服を着ている中年男性に向かってビニール傘をおもっいきりスイングして横腹に当てて倒れたはずなのに再び立ち上がって勇輝達に向かっているのだから。
「とにかく逃げようよ!」七奈美が言う。
勇輝はくの字に折れたビニール傘を捨てて正面とは逆のグラウンドに向かった。
グラウンドには人がちらほらいるだけだ。
しかし、それだけならまだ二人は良かったが、グラウンドにさらに居たのは、死体を喰らっている奴だった。
「何よ!映画の撮影!?」七奈美が言う。
「だったらいいんだけどな。」勇輝が言う。
その会話を聞いたのかグラウンドで死体を喰らっている奴等はゆっくり立ち上がり、こちらに向かってくる。
「武器は無いか?」勇輝は七奈美に聞く。
七奈美は周りを見渡す。
すると、グラウンドを使う運動部の部室があった。
「野球部のバット!」七奈美は勇輝に言う。
勇輝と七奈美は野球部の部室に向かう。
野球部の部室につくと、部室のドアを開けた。
部室は汚かった。さらに臭かった。
しかし、勇輝は良いものを見つけた。
金属バットだ。
少々砂などで汚れてはいたが、まだまだ使えそうだった。
勇輝はそれを拾うと、野球部の部室を出る。
グラウンドにいる奴等はまだまだ遠い。しかし、数がなぜか増えている。
勇輝達は正面玄関に戻ることにした。
正面には作業服を着ている中年男性がこちらに迫ってくるだけでは他に姿は見えない。
勇輝はバットを強く握る。
「許してくれ。」
勇輝はバットを振り上げそいつに向かって降り下ろす。
グシャ
スイカのつぶれるような音がして中年男性はその場に倒れる。
「殺したの?」七奈美が後ろからは聞いてくる。
「…………そうだ。」勇輝はうつむきながら答える。
勇輝は電話(スマートフォン)を取りだし、電話をかけ始めた。
「……どこに電話してるの?」七奈美が聞く。
「警察。」勇輝が言う。
しかし、電話は一向に繋がらない。
勇輝は電話を切る。
「いやぁぁぁぁ!やめて!!」
突然校舎内から悲鳴や怒号が聞こえ始めた。
七奈美は体をビクッと震わせる。
「ここから逃げない?怖いんだけど………」七奈美が聞く。
「どうやって逃げる?てか、校舎内にいる奴はどうするんだ?」勇輝が聞く。
「それは………」七奈美はうつむく。
「とにかく校舎内にいる奴等を探そう。」勇輝が言う。
「一つ聞いていい?」七奈美が言う。
「なんだ?」
「あの変な奴等映画とかに出てくるゾンビでいい?」七奈美が聞く。
「今はそう考えるしか無いな。」二人は再び校舎内に入ることにした。
校舎内に入るときはもうサンダルに履き替えなかった。
校舎内は静まり帰っていた。
「静か………」七奈美が言う。
二人は1年の教室や職員室、生徒指導室等がある2階に着ている。
各教室を調べるが誰もいない。
所々に血痕があったぐらいだった。
念のため職員室にも行ってみたが先生も生徒も誰もいない。
「皆どこ行ったのかな?」七奈美は勇輝に聞く。
「知るわけないだろ。」勇輝は言う。
先程から七奈美は勇輝の背中にピッタリくっついている。
結局2階には誰もいなかった。
中央階段から3階にいく。
2年の教室を調べるがここも誰もいない。
「きゃぁぁぁぁぁ!」
悲鳴が聞こえる。
「上!?」七奈美が言う。
二人は急いで4階に上がる。
そこにはゾンビ(もう確定らしい)が廊下に3体ほどいた。
一体はなぜか教室のスライドドアを必死に引っ掻いたり体当たりしたりしていた。
他の2体はこちらに気がつき、向かってくる。
「下がってろ。」勇輝は七奈美に言うと、バットを構えた。
「おらぁっ!」勇輝は1体の頭にバットをスイングした。
グシャ
血が廊下のガラスに飛び散る。ゾンビはその場に倒れる。
もう1体が接近しており、素早くまた勇輝はバットをスイングした。
グシャ
ゾンビがその場に力なく倒れる。
七奈美が駆け寄る。
勇輝はもう一体の方のゾンビを見るが、ゾンビは教室のスライドドアを必死に引っ掻いたり体当たりしたりでこちらに見向きもしない。
勇輝はこっそり近づくとバットをスイングした。
今度は教室のドアとバットでゾンビをサンドイッチにした。
パリン
教室のドアのガラスが割れてしまった。
しかし、ゾンビは動かなくなった。
「………全員学生服だったね。」七奈美が言う。
すると、教室の中から声がする。
「誰かいるの?」
勇輝と七奈美はもう一つのドアから教室に入る。
すると、教室の奥の方で小さくうずくまっている女子を勇輝と七奈美は発見した。
「…………助けでは、ないよね。」女子は少し残念そうに言う。
「誰?」勇輝が聞く。
「!田中、この学校の生徒会長も知らないの!?」七奈美が信じられないような顔をして言う。
「会長………大山 遥だっけ?」勇輝は必死に思い出そうとしている。
「違う。大原 遥。」七奈美が言う。
「助けてくれてありがとう。」遥が勇輝に礼を言う。
「……別に大丈夫です。」勇輝は言う。
「それより、大原さんがどうしてここに?」七奈美が聞く。
「急に先生方帰れって言い出して、帰る準備していたら外から悲鳴が聞こえて、外を見ると人が人を食べていて……それで気がついたらこんな状況に………」遥が説明をする。
「そうだったんですか。」勇輝が言う。
「他に生存者はいませんでしたか?」七奈美が聞く。
「多分、音楽室に何人かいるはず………」遥が自信無さげに言う。
「とにかく行ってみましょう。」勇輝達は3年3組の教室から出て音楽室に向かうことにした。
お笑い路線に向かってる気が………
途中から「奴等」や「そいつ」が「ゾンビ」に変わっているのは、勇輝と七奈美がゾンビだと無理矢理理解したからです。
感想よろしくお願いいたします。