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記録40 片町

新たな登場人物なし。

勇輝達が乗る車は雪の降る中を走っていた。

ワイパーが忙しく動く。

「視界が悪いわね。」百合が車を運転しながら言う。


ドン


道の真ん中を歩いていたゾンビを撥ね飛ばす。

「これからどうするの?」七奈美が聞く。

「目的としては、KANAMEに行く、そして、運がよければJRの電車で脱出する。」勇輝が言う。

「ちゃんと計画は出来てるのね。」七奈美が言う。

車は金沢市内中心部に向かっていた。

KANAMEは住宅街の一角を買い取りそこに建物を建てたので余りお世辞でも大きいとは言えない。

前回、幸子、夏海、勇輝は「キール」に参加している。

「それにしてもゾンビ少ないね。」夏海が言う。

「寒いから部屋にでもいるんじゃない?」幸子が冗談を言う。

「それだとありがたいんだけどね。」夏海が笑う。




「案外すんなりと、野町駅付近まで来ちゃいましたね。」智美が言う。

車は、所々の放置車両を避けるぐらいで、難なく金沢の中心部、片町付近まで来てしまった。

気がつくと、雪は止んでいた。


キキッ


急に車が止まる。

「どうしたんですか?」勇輝が聞く。

「前、前を見れば分かるよ。」百合が言う。

全員が前を見ると、車が渋滞している状態でずっと先まで続いていた。全部の車は誰も乗っていなかった。

「………みんな、金沢駅に逃げようとしたんですね。」幸子が言う。

「そうね………」百合が言う。

渋滞している車の間にはゾンビがヨロヨロと歩いている。

「車ではここまでね。歩くわよ。」百合が言う。

「えーーー」勇輝がブーイングをする。

「ここで待つ?」百合が聞く。

「すいません、行きます。」勇輝が言う。

結局、百合の判断で、車から降りることとなった。積んでいた食料はかさばるので置いていくことにした。

すでにゾンビが何体かこちらに寄ってきていた。

勇輝は百合と交換したMP5をゾンビに向けて撃つ。


パシュン


見事頭に当たった。

「上手いね。」百合が言う。

「この銃が良いんですよ。」勇輝が言う。

「先に進もう。」幸子が言う。

大橋を渡る。

その先の片町のビル群は所々に真っ黒な一室があったが構わずに勇輝達は進んだ。


バン


ゾンビが車の中から智美に襲いかかろうとしたが、ガラスが割れずに放置されている車の中で暴れている。

「ビックリした………」智美が言う。

「どうします?これ?」智美が車の中で暴れているゾンビを指差す。

「ほっといたら?」百合が言う。

「そうします。」智美が言う。

勇輝達は片町交差点を曲がる。

ゾンビは先ほどから余り居ない。

「ここを曲がればすぐですね。」幸子が言う。

「懐かしいな。」勇輝が言う。

「私たちはここから始まったんだ………」幸子が言う。

「何が?」夏海が聞く。

「付き合い始めたことだよ。」幸子が言う。

そんな会話もしながら着実にKANAME金沢支社に近づいていた。

「クソッ!車、邪魔なんだよ!」勇輝が近くのセダン車の前バンパーを蹴る。

すると、


パーパーパーパーパー


一定のリズムでクラクションが鳴り始めた。

「何してんのよ!」七奈美が怒る。

「説教は後よ!集まってきているって」百合が言う。

周りのコンビニや、一般家庭、小さな商店からゾンビがわらわらと出て来はじめた。

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