記録37 夢
新たな登場人物なし。
「ここはどこだ?」勇輝が周りを見回す。
そこは、いつも見ている勇輝の自宅マンションだった。
「あれ…………今までのは夢………なのか?」勇輝が言う。
周りには、誰もいない。
勇輝には今が現実かどうか分からない。
勇輝は両親の寝室、自分の部屋、風呂場、キッチンを見たが、誰もいない。
リビングに戻るが、持っていたはずのコルトパイソン6インチも無い。
「お~い。誰か~。」勇輝が言うが誰もいない。
ピンポーン
突然チャイムがなる。
勇輝はすぐにマンションの鉄の扉を開ける。
「お前……………うわぁぁぁ!」勇輝はたっている人を見て驚く。
目の前には腹から腸(はらわた)を出して、首は食いちぎられている直也が立っていた。
「酷いなぁ……人を見て叫ぶなんて。」直也が言う。
「う………うわ………ああ………」勇輝は後退りをする。
直也は一歩一歩近づいてくる。
ドン
勇輝は何かにぶつかる。
勇輝が後ろを見ると、頭から血を流している遥が立っていた。
「わぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」勇輝はキッチンに逃げ込む。
「酷いわね。」遥が言う。
キッチンは言うまでもなく行き止まりだ。
「来るな!こっちに来るな!」勇輝が言う。
勇輝はキッチンにあった包丁を遥に投げる。
ドス
「ヒッ!」
勇輝が投げた包丁は遥の腹に刺さる。
しかし、遥は痛がる様子もない。
「危ないなぁ………」遥は刺さっている包丁を抜いてリビングに投げ捨てる。
勇輝はその場にへ垂れ込む。
「何なんだよ!何が望みなんだよ!」勇輝が言う。
二人は勇輝に近づいてくる。
「何って………私は、田中くんを殺したいだけよ。」遥が言う。
「俺も同じく。」直也が言う。
「なな…何でだよ。」勇輝が聞く。
「それは、あの時手を離されたのがねぇ。」遥が言う。
遥は持っていた伸縮式警棒を伸ばす。
ジャキッ
「俺は、仲間を増やしたいんで。」直也が持っていたイカサM37を勇輝に向ける。
「あ、私に殺らしてよ。」遥が言う。
「いいですよ。」直也が言う。
「それじゃあ、さようなら。」遥の笑顔だった顔が真剣になり、警棒が降り下ろされる。
「わぁぁぁぁぁぁぁぁ………………あれ?」勇輝は目を覚ました。
勇輝が周りを見回す。
勇輝はソファーで横になっており、ソファーの前のガラスのテーブルには、幸子が顔をうつ伏せて寝ていた。
「あ、起きた?」百合が気づいては声をかける。
「はい………」勇輝が言う。
「すごい起き方だね。いつもそうなの?」百合が聞く。
「それは無いですよ………」勇輝が言う。
「それはそうと、残念だったね。」百合が言う。
「はい………俺のせいで………」勇輝が言う。
「君の責任じゃないよ。」百合が言う。
「あの………他の人は?」勇輝が聞く。
「君の部屋に相田ちゃんと、小鳥遊ちゃんがいるわ。」百合が言う。
「岡本は?」勇輝が聞く。
「エントランスで見張りをしているわ。」百合が言う。
「そうですか…………なんか、迷惑を駆けましたね。」勇輝が言う。
「そんなこと考えないの。」百合が言う。
「でも……!」勇輝が言う。
「みんな、気にしてないから。逆に君が暗いと、みんなも暗くなるよ。」百合は近づいてきてデコピンをした。
「ところで、俺はどんな風に帰ってきました?」勇輝が聞く。
「フラフラと帰ってきたわ。」百合が言う。
「そうですか。」勇輝が言う。
「それと、ちゃんと確認してきたわ。二人の亡骸を………」百合が言う。
それからしばらく無言が続き、聴こえたのは、外の風の音と、幸子の寝息だけだった。
しばらく、サボっていてごめんなさい。
感想待ってます!
ってか、下さい!




