記録11 おにぎり
新たな登場人物なし。
勇輝達は今変電所にいる。
変電所は周りを金網でぐるっと囲まれており、外から人間が忍び込むのも困難だ。
変電所は緊急の避難場所なのか、住民と思われる人がいる。
みんなは、自分の車の中で休んでいるようだった。
勇輝達もワゴン車の中で休んでいた。
「今日はここに泊まるの?」七奈美が聞く。
「ビミョーな所だな。」勇輝が言う。
「今日はここで一夜過ごしましょう。」遥が提案する。
太陽を見るともはや、夕方になって太陽は真っ赤だった。
「そうだな。夜は危険だし、ここなら警官が守ってくれる。」勇輝が運転席のシートを倒す。
「ちょっ………狭い。」後ろにいた七奈美が言う。
「あぁ、悪い悪い。」勇輝はシートを起こす。
グゥ~~~
勇輝の腹が鳴る。
「なんか食べもン取ってくれ。」勇輝が頼む。
「んじゃこれ。」遥が差し出したのは、コンビニで拝借した鮭おにぎりと、豚生姜焼きおにぎりだった。
勇輝は受けとるとすぐに食べ始めた。
「そういえば、昼飯食べてないんだっけ?」勇輝が言う。
「そうよ。3限目で返されたし、お弁当も学校に置いてきちゃったし。」七奈美が言う。
勇輝は早くも鮭おにぎりを食べきっている。
七奈美と遥もおにぎりを食べ始める。
「意外と美味しい。」遥が言う。
「おかか、何気にハマるかも。」七奈美が言う。
勇輝達はおにぎりを食べきってしまった。
「後何が残っているんだ?」勇輝が聞く。
「後は~~。」七奈美が後ろに積まれている段ボールをさぐる。
「お菓子とインスタントラーメンぐらい。」七奈美が言う。
「そうか。」勇輝が言う。
「………何だか一気に暗くなったわね。」遥が外を見て言う。
「そりゃ冬ですもん。」勇輝が言う。
「お腹一杯になったら眠くなってきちゃった。」遥があくびをする。
「まだ6時ですよ。」勇輝が言う。
「何かあったら起こしてね。」遥はそう言うと目をつぶってしまった。
すぐにスースーという寝息が聞こえる。
「マジで寝たのかよ。」勇輝が言う。
「小鳥遊、お前は寝てないよな。」勇輝が後ろを向いて言う。
「…………。」
「小鳥遊も寝たのかよ。」勇輝はシートを少しだけ倒す。
周りの民家は所々電気がついている。
変電所もライトアップさてれていて明るい。
周りの車の中も静かで他の人達も寝たのだろう。
(俺も寝るかな。)
勇輝は寝る前に鍵をかけたこと、エンジンを切ったことを確認して目を閉じた。
(これが夢だったら最高なのにな。)勇輝はそんなことを思いつつ眠った。
ドドドドドドド
勇輝は目を覚ました。
七奈美と遥も目を覚ました。
「なんの音?」七奈美が寝ぼけている。
それもそのはず、今は0時49分だから。
「車のエンジン音だな。………一台だけじゃ無いな。」勇輝はシートを起こす。
ドンドン、エンジン音は近づいてくる。
すると、車のヘッドライトが光って見えた。
変電所に黒いセダン車が2台入って来た。
更新遅くなってすいません。
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