記録9 噂
新たな登場人物なし。
勇輝達はコンビニで保存が効くようなカップ麺や、缶詰めを持ち出すことにしていた。
「これって泥棒よね。」遥が言う。
「だいたい金なんか俺、210円しか持ってねぇぞ。」そういいながら持っている段ボールにカップ麺を入れている。
「同じく。」七奈美が言う。七奈美は生理用品を篭に入れていく。
そして、それぞれが持っていた箱や、篭が一杯になったところで、車に積む。
「行くか。」勇輝は運転席に乗る。
七奈美と遥は後部座席に乗る。
「鶴来街道しか行く道がないからいいな。」勇輝は確認する。
もう一本鶴来街道の他に道があるが、トラックや、乗用車が多重事故を起こしていて通れそうにない。
勇輝はバックでコンビニの駐車場から出る。
金沢方面に車を走らせる。
すると、目の前に踏み切りがある。
踏み切りは電車が止まっており、道を塞ぐようにして止まっている。
「こんなところに………」七奈美が言う。
勇輝は車を停車している電車に近づける。
「ゾンビに殺られたんだな。」勇輝は電車の中を見て言う。
電車の中では、ゾンビがうろちょろと、密閉された電車内をさ迷っている。
「戻るしかないね。」遥が言う。
勇輝は再び来た道を戻ることにした。
そして、再びコンビニまで戻ってきてしまった。
「明光小学校通るようにして行けば野々市に着くわね。」七奈美が言う。
「言われなくても分かっているよ。」勇輝は交差点を右折する。
次第に井口駅が見えてくる。
無人駅のプラットホームにはゾンビが数体いたが、無視をして進む。
所々に事故車両が止まっていたりしたが、それを避けながら車を走らせる。
ここはまだゾンビの被害は少ないのかゾンビがうろついて居ない。
さらに走らせると、小学校が見える。
「一回小学校によらない?」遥が提案をする。
「それもそうだな。疲れたし。」勇輝が言う。
「私も賛成。」七奈美が言う。
勇輝達は明光小学校によることにした。
小学校前はミニパトが一台止まっていた。
小学校前に玄関にワゴン車を止めて、鍵を刺しっぱなしでエンジンは切る。
ワゴン車から降りる。
玄関には張り紙がしてあり、
「緊急一時的避難所」と書いてある。
「とにかく入りましょう。」七奈美が先人を切って進む。
体育館までは矢印が書いた紙が張ってあって迷うことなく進めた。
体育館のドアを開く。
ガラララララ
重い扉を開けると、100人ほどの避難住民と見られる人がこちらを見る。
そして、「救助じゃないのか」みたいな感じで再びうつむく。
「拳銃隠してあるんでしょうね?」七奈美がこっそり聞いてくる。
「当たり前だろ。」勇輝は言う。
勇輝は血の着いたバットを持っているだけにしか見えず、拳銃を隠しているなんて誰も分からない感じだった。
勇輝達は体育館の端に座る。
すると、一人のいかにもメタボだろという体型の人がこちらに向かってくる。
「君たちは高校生かい?」男性が聞いてくる。
「はい。そうですけど、何か?」勇輝は嘘をつくような質問じゃないので真面目に答えた。
「君達は、あの人達を殺したのか?」男性が聞く。
「あの人?」遥が聞く。
「いきなり襲ってきた人だよ。」男性が言う。
「えぇ、いきなり襲ってきたので……」遥が言う。
「君もか?」男性は勇輝を指差す。
「はい。同じく、いきなり襲ってきたので……」勇輝も言う。
「そうか………」男性は避難住民の一人に耳打ちをし始めた。
すると、こそこそ話が瞬く間に体育館全体に広がる。
そして、ザワつき始まる。
一人のスーツ姿の男性がこちらを指差して言う。
「人殺しだ!」
「はぁ!?」勇輝達3人は声を揃えた。
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