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魔器伝説 140分の1  作者: トム
第1章 魔士と不死の金獅子
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第5話 新しい能力

戦いの日、フォーは冷たいアスファルトの上で起きた。夢かと辺りを見回すが、そこにキルの姿はなかった。代わりと言えば、ある男の人がいた。

「あ、起きましたか?」

と優しい声でその男の人はフォーに声をかけた。フォーは、

「あんた誰?」

と返事を返した。あ、そういえばまだでしたね。とその男の顔に書かれたように男は自分の名を名乗った。

「僕は、カシュジャって言います。初めまして、フォーさん。」

フォーはこの男を不思議に思った。なぜ、カシュジャは自分の名前を知っているのだろうかと。

「はは・・・。なぜ僕の名前を?」

とフォーが聞くとカシュジャは即答してきた。

「もちろんですよ。サンクライト・キル、またの名を紅雀。あの方を拘束するのが僕に与えられた使命。そして、あの方のお供役のフォーさん、あなたもです。」

と言って、蒼く光る剣を向けてきた。

「なっ!?」

とフォーは何もすることができなかった。一瞬、カシュジャの瞳が揺らぐ。

「と、ここであなたを殺すことは朝飯前ですが、あなたを封印の儀式に使わせてもらいます。なのでここでは殺しませんよ。」

「どういうことですか?」

カシュジャはふっと口で笑った。

「僕の別の名前は、黒鴉くろからす。そう、紅雀様と同じように僕もトップテンの一員です。こんな任務をトップテンがやるとは、あの紅雀様も、もはやゴミ同然。金獅子様もあのお方がいらなくなったようでしてね。それに、紅雀様は、トップテンの中でも最強クラスの戦士で、しかも金獅子様とは性格も正反対。そこで、この任務が僕に下ったわけです。」

と一通り、説明をし、カシュジャはここで一つ咳をした。そして、フォーに向かって分かってもらえましたか?とほほ笑んだ。

「で、あのお方を抹殺するのは、トップテンでもほぼ不可能に近い。そこで封印術を得意とする僕に封印の命令が下りました。今から、僕が行うのは、闇の結界カオストラップと呼ばれる最強の封印術ですが、それでもまだすべてを封印するのは不可能。そこで、あなたの体に封印しきれなかった一部を転換します。あなたは魔士になる。」

「と言うことは、僕がキルさんの能力を引き継ぐってことですか?」

「うぬぼれないでください。あなたの体では引き継ぐなど到底不可能です。あなたは別の能力に目覚めるでしょうね。まぁ、トップテン最強、そして最狂と呼ばれる紅雀の名を、世界の敵だという認識を背負って静かに山奥ででも暮らしてください。説明は以上です。」

と言って、カシュジャは立ち上がった。それでも動けないフォーに向かって何してるんですか、早くしてください。ときつく声をかけた。


          #         #        #


それから三時間が経過した。シックはいまだにキルのもとに帰らなかった。

「おかしい。シックが報告を忘れるなんてない。」

と静かにキルが声をあげると、足音が聞こえる。

「おい、誰だ?シックではないことは分かっている。出てこい。」

とキルは大声をあげた。すると、何やら女の人が現れた。

「やっぱ、ばれてた?」

と言う声と共に。

「その声は!?まさか爪熊なのか?」

「あったり~!」

くっ、とキルは剣を出しながら一歩下がる。その間に、爪熊の怒涛の攻撃が繰り広げられた。爪熊の武器はスピード。キンキンと、金属音を立てながら、二人の壮絶な斬り合いは繰り広げられた。

「シックはどうした?」

「シック?あぁ、あいつか。あいつはお前が紅雀と言う秘密を言っても気持ちに変化がなかったから、ここに連れてきたぜ。」

と言って、爪熊はシックを放り投げた。キルはそれを受け止めるとそこに一瞬の隙ができた。それを見た爪熊は一気に距離を詰める。爪熊の剣が紅雀の腹を引き裂いた。

血が飛び散る。ぐふっと、キルはその場に崩れ落ちた。

「まったく、本当に腐ったな。元トップテンのリーダーともあろう男が、こんなカスのために命を削るなんてな。」


爪熊は、服のポケットから魔性石を取りだした。それは伝達の魔性石だ。

「こちら、爪熊。キルを倒したぜ。とっとと、儀式行っちまおうぜ。」

と、爪熊の声だけが夜の空に響いた。

次話、序章完結。


キルの運命は!?


そして、フォーは!?


遂に金獅子が動き出す。


次号、第6話は19日投稿予定です。

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