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魔器伝説 140分の1  作者: トム
第1章 魔士と不死の金獅子
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第4話 偽の手紙

「首都「レイサ」に向かっているシャスガとか言うやつの隊に偽の手紙を送り付ける」

とキルが言ったのをじっと見つめる視線があった。シックはスパイとしての役割を担っているため尾行などには細心の注意を払っていた。が、そのシックですら気付けない存在があった。が、もちろんそれには誰もいまだに気付いていない・・・。



              #         #           #


「やっぱ、やるねぇ。紅雀くじゃく。」

とある男が言った。周りには酒びんが転がっており、酒癖の悪さを知るには十分だ。そして、また男は次の酒びんのふたを開けた。それを右手の人差指と中指で挟み、一気に飲み干す。そして、その瓶をまたまわりに捨てた。瓶と瓶がぶつかりあってガシャンという音を立てる。

「オレも紅雀の状況だったら、それをしていただろうな」

と独り言を繰り返す。

「だが、細心の注意を払えよぉ、紅雀。」

と、その独り言に気付いたもう一人の男が寄って来る。

「おい、何見てんだ、爪熊そうゆう。」

爪熊は後ろを振り返った。

「あぁ、針蛇しんだかぁ。今、紅雀の活躍を見てやってんのさ。」

「紅雀?あぁ、あのサイオウド王国に飛ばされたやつか。あんなめんどくせぇ任務断れば良いのにな。だいたい俺らトップテンがやることじゃないだろう。」

「そういってやるな。あいつは良い奴なのさ。確かに場違いな気もするが、どこか楽しんでるように見えるぜ。」

「任務をかぁ?まじであいつはわかんねぇな。まぁ、紅雀は私より強い。あいつが本気出せばサイオウドも一発だ。そのサイオウドの貴族のひきつった顔をみるのはおもしれぇかもしれねぇな。まぁ、おれは興味ねぇから。あいつが本気出したらまた呼べよ。」

そう言って針蛇は部屋を出て行った。

「ふん。なんで紅雀のやつがSランク騎士でなんで俺らがAランク騎士なんだ?」

と爪熊は嘆くしかなかったのである。


       #         #         #


その夜。

「よし、これで完璧だ。」

とフォーが叫んだ。それが夜空に響く大きな声だったためキルはうるせぇぞと一喝し、それでフォーはすぐに大人しくなった。

「シック~、戻ってこい。」

とキルが小さく言うと、すぐにシックは戻って来る。これも魔性石である。伝達の魔性石は電話など欠かせないものとなっている。

「どうした、キル?」

「いいや、あのあれだ。偽の手紙が以外と早く作れた。お前の魔器で一人操ってこい。」

「分かったよ、キル。やっとでオレの魔器を使う時が来たか。」

と、2人が何気なく会話していると隣でフォーが驚愕の顔をしていた。2人ともなんだ?という表情をし、代表でシックがフォーに尋ねる。

「どうした?」

とフォーに聞いた。すると、フォーはおそるおそる、

「シックさんって、魔士だったんですか。」

と聞いてきたためシックは怒り、キルは飲んでいた酒を吹いてしまったのである。

そんな戦いを控えている戦士とは思えない雰囲気にフォーも自然と笑顔になっていた。

そして、シックは、その偽の手紙を届けるべくシャスガ隊のもとへ出発する。と、その温かい雰囲気は一瞬で消えうせた。

「おい、フォー。お前に少し話がある。少し聞いてくれ。」

こんな風に真面目にキルが話したことを見たことがないフォーは少し疑問に思ったが、別に聞いてもいいだろうという甘い考えでキルの話しを聞いた。


「・・・。」

フォーはそれを聞いた後何も言えなかった。まさか、キルさんがトップテンのメンバーでS級騎士とは知らなかったのである。トップテン、少し聞いたことがある。


その昔、ある一人の貴族が世界征服に乗り出した。その世界貴族は貴族の中でも群を抜いて力があり、技術力も豊富にあった。そう、魔器を作ったのだ。魔器を用いて世界征服に乗り出したその貴族は圧倒的な魔器の力であらゆる国を従えていった。しかし、問題はいつの時代になっても絶えない。

次は、その魔器を取るべく、軍隊の中で争いが起こり始めた。やがて、軍は崩壊。再び世界は分裂し、力のあるものが国を作って行った。そこで貴族側も遂に禁じられたやり方で反撃に出たのだ。


それが、最強の魔器、つまり「トップテン」なのである。

炎を宿いし、深紅の力の持ち主「紅雀」がリーダーとなり、遂に世界は一つになる。


伝説の様な話だと思っていたが、まさか・・・。


と思っていたところにキルがまた突っ込んできた。

「悩んでるようだな・・・。悩むくらいなら辞めた方がいい。これからオレは一人で任務をこなしていくさ。」

と悲しい声で言った。フォーも悩んだが、やはりこのトップテンは全人類の敵である。これにお供をするとなると・・・。

その時ドサリと頭に大金が積まれた。

「これは今までのお礼だ。お前と旅できて楽しかった。今回の任務前に分かれていないと魔士のオレは大丈夫だが、お前は殺されてしまう。もう、俺の事は忘れろ。ありがとな。」

と言ってもうすでに歩き出していた。いつもなら追いかけるのだが、この時ばかりはフォーも見つめることしかできなかったのである。


次話、キルが一人で任務に出る。


偽の手紙は!?そして、まだ真実をしらないシックの運命は!?


そして、フォーは!?


次話、遂に王国と伝説の魔士「紅雀」が戦う!


はたして両者の運命は!?


次回、第4話は4月12日投稿予定!!

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