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あの頃は、公開される映画はすべておもしろく、リリースされるゲームは斬新でワクワクさせられるものばかりだったな……
そんなかんなで。
パソゲー業界では人気のジャンルがADVからRPGの時代に移り変わってね。
え、「3」の後半はRPGしか口にしてない?
もう細かいのいいでしょ。
気分で書いてるだけなんで。
とにかくRPG一色になったかんじでな。ずっとお世話になってたベーマガ(ベーシックマガジン)の『山下○のアドベンチャー』ていうレビューも寂しくなったっけ……。
そんなオレの感傷とは関係なしに、世間じゃ『無限の心臓Ⅱ』とかなんとかのビッグタイトルが、ばっかばっかリリースされ、オレの“レビュー誌ガン読みライフ”も多忙を極めていった。
そうだ。ADVレビューは廃れてもRPGレビューは大盛り上がり。そしてやはりというか強タイトルがP6にリリースされないもんだから、購入前と変わらずゲームレビュー誌を眺めるスタイルを嫌でも続けることになる。もうこのくだりほじる必要ねーだろ。
そんなことより、オレのADV熱がRPGに移った理由が肝心だ。もちろんブームに乗ったわけじゃない。……悪い、それもある。それのほかに、同じ頃にその存在を知ったテーブルトークRPGの影響がものすごく大きいっっ。
あーいや、ちがう。
こっちの方が先じゃねえかな? RPGなんて知らない時にその存在を知ったんじゃなかったかな……。
たぶん、『ゲームグラフィクス』とかいう雑誌だったと思う。すんげーテキトーだけど。
ある日の本屋でたまたま手にした雑誌で、『D&D』という海外ボードゲーム(当時はそういう認識だった)を見たのが切っ掛けだった。
詳しくは割愛するが、これの紹介を読んだときの興奮は、【飛田のインペリアルホールドから体格で劣る陸奥が、純粋なパワーのみで脱出してのけた時】くらいに奮えたね。
「ぅおおお、陸奥ぅ!!」
てめっちゃ吼えたよ。コンビニで立ち読みしてるの忘れてさ。そんときと同じくらいの興奮があったって話。
だってさ。
ファンタジーRPG的なモノがない時代だぞ? ジャンプじゃ『北斗の拳』とか『ドラゴン・ボール』、ハリウッドなら『インディ・ジョーンズ』とか『キャノンボール(死ぬほど面白ぇ!)』をやってる頃だ。
そんな時代に、だ。
怖ろしい怪物がいて、それを剣や魔法!で戦い、あるいは罠が張り巡らされた迷宮など、お伽噺のような世界を舞台に冒険し、財宝を得る――『宝島』や『トムソーヤの冒険』で憧れた冒険が、“オレを待ってる”ていうんだぜ、めちゃくちゃサイコーじゃねえか!!!!
しかもこのゲーム、食料も買ってガケ登りのためにロープまで準備してとか、探検ギアが色々あってすんげーリアル。
ほかにゲーム用の小道具もたくさんあって、洞窟のフロアタイル上で怪物や冒険者のメタル・フィギュア(臨場感ぱねー)を動かし……やべーよ、怪物に囲まれちまうよ、おい、盗賊びびってねえで何とかしろよ?!
とか、さ。
うおー妄想がはかどるっ。
あーなんだよコレ、すごすぎんだろう。パソコンも使わずにこんだけリアルで自由無限大に遊べるゲームなんてあるのかよ?!
これまでなんて、里山の遺跡に城跡や河川敷、あるいは廃墟や幽霊アパートでのプチ冒険だ。楽しいけれど、モンスターは出ないしマジックアイテムやたからの地図もない。当然お宝を手にすることも。
でもこのゲームには!
疑似体験でも!
ほしいよ、ほしいだろ今すぐに。もう、冒険したくてたまらんわ!
けど田舎じゃ売ってない(もはやデフォ)。
ネット通販だって存在しない。
というか、ネットも携帯すらもない。
あの時は何をどうやって買えばいいのかも分からなかった。それに記載してた雑誌だって見つけられなくなる。
え? 幻? それこそが妄想?!
いや、あったって!
D&Dなんてタイトルを妄想だけで思いつかないって!!
くそっ、誰も信じん。
雑誌なくなってるし。
田舎だから。
実のところ、季節刊行くらいの話だったような……。だからすぐに見かけなくなったんじゃないかな。
そんな悶々というか情緒不安定になってる時にパソゲーのR・P・G登場だ! そりゃハマるだろ。いや、P6非対応がほとんどなんでレビュー誌読み込むだけだけど。ほんとこればっか。
思えば優しい友人に『X1』貸してもらったりして急場をしのいだこともありました。
オレとは違ってきちんと働いて(ちょいと特殊なバイトだけど)、貯めた金で買った『X1』。高精細ディスプレイに高速テープ。素晴らしい機種だったなあ。そんな大事なもんを貸してくれたわけですよ。
だから今でも感謝してる。友人をからかってばかりいた悪友に、彼はほんとに心優しかった。唐突だけど、幸せでいてほしい。マジでそう思ってる。そのくらい感謝。ちゃんと礼言ってない気する。
この場を借りて御礼を。
ありがとう大切な思い出を。




