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家の前で酔い潰れてたダウナーやさぐれメイドを助けたらなぜか同棲が始まった  作者: 雨谷夏木
二章 駄メイドと送る同棲生活

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かわいい顔してる、よね

 麻雀(まーじゃん)の後、(さかき)さんと我藤(がとう)さんがベランダで一服していた。

 僕と舞姫(まいひめ)さんは、そんな二人の喫煙シーンを一緒に写真に収めた。

 顔整いのお二人の喫煙シーンは非常に眼福であった。


 ひとしきり写真を撮った後、僕と舞姫さんは一足先にリビングに戻った。さすがに、ベランダに四人は狭すぎる。


「あ、ふふ。へへ……。二人きりになっちゃったね」

「あ、はは……。スね」


 今日出会ったばかりの舞姫さんと期せずして二人きりとなり、微妙に気まずかった。

 だが、中二モードではない舞姫さんは終始ふにゃりとした笑顔を浮かべているため、漂う空気が柔らかく、意外と緊張はしなかった。


「舞姫さんは、煙草吸わないんですね」

「あ、うん。煙草、かっこいいんだけど、わたしには無理だったんだぁ……」

 どうやら試したことはあるようだ。さすがは舞姫さん。


「舞姫さんは、今は専業作家さんですか?」

「う、うん、一応。専業というか、働いてないだけだけど……ふへ」

 ねちっこく笑う舞姫さん。

 それでも我藤さんや榊さんに貢ぐ余裕があるということは、相当作家業で稼いでいるということなのだろうか。


「二次元、三次元、女性、男性を問わず、顔のいい人に貢ぐのが働くモチベ……。へへ……」


 ……なんか、稼いでいなくても貯金ギリギリまで推し活してそうな危うい雰囲気があるな。


 僕の中の舞姫さんの駄目女ゲージが上がる音を聞きながら、彼女を見つめていると。

「こ、こーたろーくんも、かわいい顔してる、よね」

「え?」

 舞姫さんは、急に艶っぽい表情をこちらに向けてくる。


「あ、ふふ。やしろちゃんの待ち受け、ちらっと見えちゃって……。ジャージメイド、似合ってた」


 急激に僕の体温が上昇する。

 僕のあのクソ恥ずかしい姿を、まさか舞姫さんに見られてしまうとは。


 女性にかわいいと言われるのは、榊さんを含めて二人目だ。

 これたぶん、大人の女性が年下をかわいがる際の「かわいい」だよな? 子ども扱いされてるってことだろうか。


「ぼ、僕、そんなにかわいいですかね……?」

「う、うん。わたしは、好き。貢ぎたいくらい」

 そんなに!?


 狼狽える僕を見て、舞姫さんの中のなにかのスイッチが入ってしまったらしい。

 彼女は、穏やかな目の奥にぎらつく光を(たた)えた。


 そして──。


「ね、ねぇ。わ、わたしと、おねショタ展開してみる?」

「はい!?」

 急になにを言い出すんだこの人!?


 たじろぐ僕を見て、舞姫さんは冷静にこう告げた。

「れ、(レイン)モードの方が効果的かな」

「そういう問題ではなく!」


 僕を無視し、舞姫さんは表情を引き締めて(レイン)・カナリアモードに入った。

「コータロー。我とおねショタ展開してみる?」

「なッ!?」

 いつものふにゃふにゃした舞姫さんとのギャップも相まって、真剣な表情の彼女の破壊力は凄まじかった。


 僕の目に突き刺さりそうな長い睫毛。海を閉じ込めたかのようなブルーの瞳。儚げな薄い唇。

 クソっ! 顔が良すぎる! 西洋絵画かよ!

 それなのに台詞が残念すぎる。なんだよおねショタ展開って!


「僕らの年齢だとギリおねショタにはならないと思います!」

 このツッコミもなんなんだよ。


「……あ、ふひゅ。そうだよねぇ」

 舞姫さんが、レインモードから普段の彼女に戻ってくれた。


「あ、あのっ。急にどうしたんですか?」

「ご、ごめんねぇ。やしろちゃんに、こーたろーくんはいじるといい反応するって聞いてたから、試しにいじってみたの。確かにかわいい反応するねぇ」

「あの人は……」

 脳内で、真顔で僕にピースする榊さんの顔が浮かんだ。


「あ、じゃあ、僕がかわいいっていうのも冗談だったんですね」

「それはマジ」

 食い気味で言われてしまった。


 目が本気(マジ)である。

 普通に怖い。


   〇


 しばらく二人で雑談を続けていると、舞姫さんが急に僕に接近してきた。

「ねぇねぇ。こーたろーくん」

「な、なんでしょう」

 美しい彼女の顔が近づき、僕の心臓は跳ね上がる。


「わたし、気になってることがあるんだけど」

「は、はい」


 一体、なにを言われてしまうのだろうか。

 またいじられるだけか?


 僕が身構えていると、舞姫さんは舌で軽く唇を湿らせてからこう言った。

「こーたろーくんって、やしろちゃんのこと好きなの?」

「……」


 なんだ、そんなことか。


 僕はもう、中高生じゃないんだ。今更こんな質問に動揺はしない。

 そう思っていたのだが。


「どっ、どどどどうなんでしょうか……」

 信じられないくらい声が震えてしまった。


 冷静に考えると、僕って恋愛関係の経験値はまだ中高生のままなんだよな……。

 そんな僕を見て、舞姫さんはふっと優しく微笑んだ。


「ふふ。その反応で大体わかったよぉ」

「う……」

 やはり、僕はかなり感情が表に出やすいタイプのようだ。


「ところでさぁ」

 舞姫さんは、再び僕の顔をじっと無言で眺め始めた。

 この人は、人の顔をじっと見つめる癖でもあるのだろうか。まるで、僕みたいだ。


「ど、どうしました?」

 やばい。舞姫さんの顔が良すぎて、視力がよくなりそう。


「うん? こーたろーくん、近くで見るとやっぱり似てるなぁって」

「だ、誰にです?」


 そういえば彼女、僕に向かってなにかの生まれ変わりだとかなんとか言っていたような。


 舞姫さんは眼帯で塞がれていない左目で僕を捉える。

 そして彼女は、艶やかな息混じりにこう溢した。


神倉(かみくら)コーキくん。わたしの初恋の相手」


 舞姫さんが中二病に憧れるようになったきっかけのキャラ……かな?


 その後も、彼女は熱っぽい視線を僕に(そそ)いでくる。


 なにこれ?

 知らない間に舞姫さんとの間にフラグが立っちゃっていたのか?


 そんなことを思っていると──。

「あ、ふひゅっ。こーたろーくん、ちょっと写真撮っていいかな……? ふひっ。リアルコーキくんだ……」

「……」

 ──全然そんなことはなさそうであった。


「まあ、いいですけど」

「あ、ふふっ。ありがとう。あとでお金、あげるねぇ……」

「いえ。大丈夫です。なんか怖いので」

 それから、舞姫さんはスマホで僕の写真を撮りまくっていた。


「わっ。なんや撮影会始まっとんで!?」

 一服から戻ってきた我藤さんは驚きに声を跳ねさせ。


 そして榊さんは。

「あたしにも撮らせろ」

 と、なぜか舞姫さんと一緒に僕を撮り始めた。


「なんかオモロそうやし、ウチも混ぜてーや!」

 面白がった我藤さんも参戦。なんでだよ。


 なすがまま三人に撮られていると、人に撮られまくる榊さんの気持ちがなんとなく理解できてきた。

 自分なんて撮ってなにが面白いんだ? と。彼女もそう思っているのだろう。


すみません!明日は更新をお休みさせていただきます。

明後日は更新予定です。

そのあとは、2日に1回か、不定期の更新になるかもしれません。すみません!

理由は、シンプルに書いた話のストックが減ってきたからです。

話がたまったら、また毎日更新したいです。


活動報告にも同様の内容を書くので、ここを読んでくださった方はそちらは読まなくても大丈夫です!


では、今年も酔メイド(この小説の略称)をよろしくお願い致します!

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