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21.二人だけの居場所

翌日、学校にいるはずの時間に、通知が届いた。

「休んじゃった」

理由を尋ねると、すぐに返事が来た。


「昨日の夜は眠れなくて。朝、体が動かなかった」

「行かなきゃって思うのに、玄関の前で足が止まった」

俺は画面を見つめながら、言葉を選ぶ。

責めるなんてこと、絶対にできない。

むしろ、よくここまで耐えてきたと思う。


「無理しなくていい。休んだって大丈夫」

「レンがちゃんとここで話してくれてる、それで十分だから」

送信すると、少し間をおいて返事が来た。

「カケルがそう言ってくれるの、すごく嬉しい」

「ほんとに、カケルだけなんだよ」

たった一言でも、こんなふうに俺を頼ってくれる。

その重みが心地よくて、同時に責任の重さも突きつけられる。


放課後、通知が届くたびに無意識に笑みがこぼれる。

俺はもう、彼女とのやりとりなしでは一日が落ち着かなくなっていた。

そんな時、レンからまた長文が届いた。

「みんなといるときは笑ってるのに、心はずっと冷めてる。

 親に期待されても、応えなきゃって焦るだけで苦しい。

 でもカケルと話してると、少しだけ温かくなる。

 ここだけが、私の居場所」

彼女にとって俺は、ただの相談相手じゃない。

居場所そのものになっている。


「俺も同じだよ。

 レンと話してる時間が一番落ち着く。

 ここは二人だけの場所だ」

――こんなに強く依存させて、俺に何ができるんだろう。

でも同時に、彼女を離すことなんてできない。


「カケルがいてくれるから、明日も生きられる」

その返事を見た瞬間、覚悟は決まった。

どんなに苦しくても、俺はこの関係を守る。

たとえ世界中の誰も理解しなくても、レンだけは絶対に独りにさせない。


――「ここだけが、私の居場所」

なら俺は、その居場所を守り続ける。

たとえそれが、俺自身を縛ることになっても。

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