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18.家の中の孤独

次の日、レンからのメッセージは少し遅れて届いた。

「家にいるのに、落ち着けないんだ」

その言葉を見た瞬間、心が痛んだ。

学校だけじゃなく、家でも彼女は居場所を見つけられないなんて……そんなの、あんまりだ。


俺は震える指で返信を打つ。

「どうして落ち着けないの?」

数分後に返ってきたメッセージには、彼女の深い孤独がにじんでいた。

「家族の前だと陽咲でいなきゃいけない。

 いい子で、笑顔で、ちゃんとした娘で……。

 本当は疲れてても、少しでも気を抜くと崩れそうになる」

俺は画面を見つめたまま、言葉を失った。

家って、普通は一番安心できる場所のはずだ。

でもレンにとっては、逆に息苦しい場所になっている。


「俺は……どうしたら彼女を救えるんだろう」

思わず小さく声に出していた。

救いたい。だけど、画面越しじゃできることは限られている。

無力感が押し寄せる。

それでも、今できる言葉を探した。


「レン。ここでは無理しなくていい。

 俺と話してるときくらい、いい子じゃなくていいんだ」

返事が来るまでの時間が、やけに長く感じられた。


「ありがとう。カケルの前だけは、素直でいられる」

救えているのかどうかはわからない。

でも少なくとも、彼女に「素の自分を出せる時間」を与えられているのなら――

それだけで俺は、ここにいる意味があると思えた。


夜が更け、窓の外に月が浮かぶ。

布団に横になっても、レンの言葉が頭から離れない。

「素直でいられるのは、カケルの前だけ」

その言葉は、俺にとっても救いだった。

彼女がそう感じてくれる限り、俺は何度でも支えたい。

たとえそれが、たったひとりの力でも。

たとえ彼女の孤独をすべて取り払えなくても。


俺は心の中で、もう一度固く誓った。

レンにとっての“居場所”になり続ける。

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