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11.つながりの証
「ありがとう」
それだけの返事から、一晩が過ぎた。
不安は消えてないけど、「俺は信じられてるんだ」って思えた。
学校の昼休み、スマホを開くと、新しい通知が届いていた。
「カケルは、どんな時に一番安心する?」
唐突な問いかけ。
けど、文字の端に込められた揺れを、俺は感じた。
彼女はきっと、自分自身に問いかけてるんだ。
「安心できる瞬間なんてあるの?」って。
俺はすぐには答えられず、教室の喧騒を聞き流しながら考え込んだ。
そして、少しだけ勇気を込めて返す。
「誰かが隣にいてくれる時かな。言葉がなくても、ただ一緒にいるだけで安心する」
「……いいな。それ、すごく」
レンが自分の言葉を重ねてきてくれた。
それは彼女が俺に、少しだけ歩み寄ろうとしてくれている証のように思えた。
夜、机に向かっていると、またメッセージが届く。
「カケルはさ、私がどんな人でも……一緒にいてくれる?」
これが彼女の“本音”に少し触れた瞬間なんだと直感した。
「もちろん。俺はレンだから一緒にいたい。誰であっても関係ない」
送信してから、しばらく返事はなかった。
だけど、不思議と不安はなかった。
暫くしてようやく通知が鳴った。
「ありがとう。カケルに出会えてよかった」
これはもう、ただの文字じゃない。
彼女と俺を繋ぐ“証”なんだ。
信じてよかった。
そう心から思えた瞬間だった。




