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はじめてのいたずら

レズっ気のある女の子がアプリで友達にちょっとえっちないたずらをしちゃいます。

ここは授業中の教室。私は今こっそりスマホをいじっている。

それは授業が退屈だからとかではなく、あまりにも気になることが起きたからだ。


私のスマホにいつの間にか知らないアプリがインストールされていたのだ。


『癖管理アプリ』


どう考えても怪しい。でも正直気になる。


(勝手に入ってるとかやっぱりやばいアプリなのかな……でももうインストールされてちゃってるし……)


開かない方がいいとは思いつつも、どうしても気になってしまって、さっきから授業そっちのけでチラチラホーム画面を見ては閉じてを繰り返している。


(一回開くだけなら……いやでもウイルスとかかもしれないし……。)

(でもでも、癖管理ってなんか自分の悪癖を矯正するのをサポートしてくれるアプリなのかもしれないし……)


くだらない葛藤を頭の中で繰り広げたのち、


(やってみなくちゃわからないよね。うん、やっぱり開いてみよ)


結局よくわからない自己正当化をして、謎の覚悟でアプリを開いた。

すると、説明が表示された。


[このアプリは、他人が無意識にしてしまっている“癖”を管理・編集できるアプリです。まずは対象を指定してください。]


(え?他人の癖を、管理?私のではなくて……?)

(えっと……よくわからないけど、とりあえず名前を入れればいいのかな?)


とりあえず私の親友で試してみよう。あの子なら万が一があってもきっと笑って許してくれるだろう。

私の親友は夕梨花(ゆりか)という。さくら色の髪で両側をアップしている、いわゆるツーサイドアップの髪型に青い瞳。優しいし人懐っこくてとってもかわいい子だ。


(とりあえず「夕梨花」っと。)

(あとはこの完了ボタンかな、ポチッと。)


(……え?)


目を疑った。


挿絵(By みてみん)

『夕梨花の癖』

・考える時に腕を組む

・字を書く前に髪をかきあげる

・退屈になるともみあげを触る

・緊張すると服の裾を掴む

・スマホで文字を打つ時、小声で口に出しながら打つ

・「たしかに~」という相槌を多用する


見た感じ確かに、夕梨花が普段よくやっているようなこと、つまり”癖”と呼ばれるべきものが画面にいくつか並んだ。


(なんだこれ……このアプリ、なんで夕梨花のことを知って……?)


驚きながら画面を見ていると、「編集」というボタンがあることに気づいた。

……正直少し怖かったが、自分の中で好奇心の方が上回った。


ちょうど今授業は教科書の問題を解く時間で、生徒はみんな各々教科書とノートに向かっている。

ちらりと彼女の席を見ると、確かに教科書を見ながら腕組みをしてうーんという顔で考えているようだ。


(編集ってなんなんだろう?まさか、本当に夕梨花の癖が変わっちゃったりして……。)


私は恐る恐る少し書き換えてみることにした。


・考える時に腕を組む → 考える時に()を組む


癖を編集した数秒後――


彼女の席の方からギシッと椅子がきしむ音がした。

私は音につられて思わず顔をそちらへ向けた。そしてその瞬間、心臓の鼓動の高まりを感じた。


そのまさかだった。



……脚を組んでいる。



先程まで腕を組んでいた彼女は、左脚を右脚の上に載せ、考え事をしている。

ニーソを履いた脚がスカートからスラリと伸びている。


このアプリは、本物かもしれない。そう思い、冷や汗が出た。


(いや、まさか……。偶然紛らわしいタイミングで脚を組んだだけかも。もう一回変えてみよう。)


・考える時に脚を組む → 考える時に脚を()()


変更を確定させて再び彼女の方を見やると、たちまち反応があった。

先程まで組んでいた脚を戻したかと思えば、アプリに入力した通り脚を……


ゆっくりと開き、そして止めた。


どうしたことか、このアプリはどうやら本当に人の“癖”を編集できるようだ……。


しばらくすると本人は脚を開いていることに気づいたようで、恥ずかしそうにサッと足を閉じた。

なるほど。あくまで癖だから、意識すればやめることもできるんだな。

確かに、口癖とかも言わないようにしようと思えば別に言わないこともできるもんな。


しかし、本人の知らないところで本人を操作していることに私は興奮を覚えた。


なるほど、これは“癖”になりそうだ…


************************


放課後になり、今度はこちらから話しかけに行ってみることにした。今はちょうど周りに人が少ないからチャンスだ。“癖”はすでに仕込んである。


「夕梨花、おつかれ」

「あ、早紀(さき)ちゃん、おつかれさま〜」

「今日も部活?」


彼女は吹奏楽部に所属している。どうやらもうすぐ演奏会があるらしい。

ちなみに早紀というのは私の名前だ。


……そろそろ“癖”が発動するだろうか。


「うん、そうだよ、本番近いからね〜」

「そっか、練習頑張ってるね。」


彼女は話しながらこちらに両手を差し伸べ……


私の右手をぎゅっと両手で握った。


・早紀に話しかけられたら会話をしながら手を握る


よし、“癖”通りの反応だ。

手をにぎにぎされている。あ、夕梨花の手あったかい…しかもめっちゃやわらかい……しあわせ……


って!惚けてる場合じゃない、会話の途中だった。

おそらくそろそろ次の癖も現れる頃だろう。


「本番来週だっけ。今回って何の曲やるの?」

「早紀ちゃんの好きなHIRUASOBIの曲とかやる()()〜」

「おおーそれは期待」

「早紀ちゃんも聴きに来てくれたらうれしい()()……って、うん?」


やがて、自分の発言の違和感に気付いたようで、目をぱちくりさせた。


・早紀と話すときは「にゃ」を多用する


「……あ、あれ?今わたし、にゃって言ってた……?」

「うん。かわいかったよ。」

「え、恥ずかしい!今の忘れて〜」


(><)って顔をしながら手をブンブンしている。

……そんな反応されたらもっといたずらしたくなるじゃんか!


この反応を見るに多分本人的にはちょっと言い間違えちゃったくらいの違和感なのだろう。

じゃあもっとありえない事をさせたらどうなるのか、気になる。


実はこういう展開になるだろうと予測して、すでにもう一つ仕込んである。


「いいじゃん、夕梨花かわいいし恥ずかしがることないのに」

「いやいや、そんなキャラじゃないし……」

「それで、夕梨花は今回の演奏会でソロとかあるの?」

「う、うん。一応ね、数フレーズくらいだけどちょっとあるよ。」


わざと夕梨花の名前を会話に入れながら話を進めると、やがて彼女の両手がスススと動き、自身のスカートの裾をつまんだ。


そして……


ぴらっ♡


かわいい赤リボンのついた白色のパンツが見えた。

入れた“癖”はこうだ。


・私に名前を呼ばれたらスカートをたくしあげる


「おー、それはしっかり耳に焼き付けないと。」

「目じゃなくて耳に焼き付けるって初めて聞いた、よ……」


自分の異常な行動に気づいたようで、下を見て目を丸くする。


「え、なにこれ、えっ!?」


バッっと素早くスカートを押さえた。


「わ、わわ、わたし、にゃにしてるんだろう……あはは……///」


耳まで真っ赤になっている。そして「にゃ」も残ってる……


「なんでこんなはしたないことしちゃったんだろう……お目汚しごめんね〜…」


パンツ見ちゃったのはこっちなのに謝ってくるとかいい子すぎる。ダメだこの子保護しないと。


「うぅ……わ、わたしそろそろ部活行くね!早紀ちゃん、またあしたっ」


スカートを押さえたままピューっと足早に去っていった。

さすがに逃げられちゃったか。まあいいや、十分いいもの見せてもらったし。


さて、次はどんないたずらを仕込もうかな。


ピコンッ


うん?なんかスマホに通知が……


[◆無意識管理モードが追加されました]



〜つづく〜

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