ルナ
レネの家に入っての第一印象…
(怖っっっっ!!!!)
家の壁一面に人形が張り付いており、無機質で四肢が全てが力なくぶら下がるっているが、今にも動き出しそうな怖さを感じる。
(もしかして…中途半端に顔がリアルなこれ、不気味の谷現象?)
「あのー、大丈夫ですか?」
「ひゃぁ!?………ぁあ、大丈夫です」
急に話しかけられるとビビるよ…。
「あはは!やっぱ怖いですよねこれ!」
「ええ…まぁ、はい…」
自覚あるんだ。
「この人形たちは代々作られていて、レネのひいひいひいおばあさまが最初に作ったんです……ああ、これがレネが作っている人形です!」
指差した先には顔や手、足の指がまだ付いていない未完成の人形があった。…と言うか人形を作って何になるのだろうか?
「…へぇ…あの、人形を作ってどうしているのですか?」
「んー、ただ生活に役立てているだけですよ。ああ、後は護衛だったり、この辺危険なので」
護衛…?人形が自分で動けると思え無いし、そんな事が可能なのか?
「…護衛…ですか。でも…レネはつけていませんでしたよ?それで、でかいイノシシに襲われていましたし…」
「な、なんですってーー!ちょっと!レネ!どう言う事!?」
気絶しているレネの肩を掴み、前後に揺らし訴える。
「うーん………んぇ?……なな、何!?」
あ、起きた。
「レネ!外出するなら人形を持って行きなさい!【傀儡師】は人形を使わなければ、何もできないでしょ!あーもう!人形を持っていかないなら今度から私がついて行きます!」
「ルナ……ごめんって…」
ルナって言うんだ。…さっきは、犬みたいと思ったけど今度はお母さんみたいだな。いや、でも絵面が中学生が高校生を叱ってるみたいで…ふふ、少し面白い。
「…あ、トウカさん、お見苦しい所すみませんでした」
「ああ…いえいえ、…あの……所で二人の関係は?」
…途端二人の口が止まり、少し考える。…もしかして聞かない方がいいやつ?
「………いざ、説明しようとすると難しいですね」
「んー、私がレネの保護者?みたいな?」
「?????」
ごめん、ちょっと何言っているか分からない。歳から見てまだレネが保護者の方が自然なんだけど。
流石に返事に困っていると、ちゃんと説明を始めてくれた。
「第一、ルナは人間じゃ無くて人形なんですよ。しかも中身は犬」
「??????」
…何言っているんだ?
「ルナはわたしのひいひいひいお婆ちゃんが死んだ犬を人形という形で蘇らせた姿なんです。あっ、でも蘇った時はちゃんと犬型なんでしたっけ?」
「そう!ミラアが…ああ、ミラアはレネのひいひいひいおばあさまの名前ね!んで…ミラアが死ぬ時、私に人として必要な記憶と【傀儡師】に必要な記憶を全部授けて人型として生きる様になったって訳!まあ、つまる所、ミアラのひ孫くらいからは私が育てた様なものなの。だから保護者かな」
………………ええっと、つまりルナって死亡経験有りの元犬超絶お婆ちゃん現在銀髪少女……って事!?結局返事に困るんだけど!
「まあ、私とルナの関係はそんな感じです」
「…まあ、理解した……と思います」
理解出来る訳ないじゃん。
「不気味の谷現象」結構興味深いよ