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第五話 面倒臭い




「それで、どう言うことだこれは」


それは父ハイドレアの一言だった。


「どうしてこれ程空欄があるんだ」


そう、今父の手元には先程解いたテストの答案用紙がある。では、説明しようか。つい数時間前私と父は一緒に昼食を食べた。その後父が家庭教師を連れて来た。何故家庭教師が来たかと言うと、私が難しい本を読んでいたからだそうだ。

そして、今、その家庭教師に出されたテストによって私は叱られようとしている。歴史の範囲が散々な内容なのは仕方の無いことだと思う。私にはいまだに知らない事が多いまずこの世界のことだ。推測するにこの世界は私が生きていた世界とは違うだろう。だって聞いたことない国ばかりだからだ。そうに違いない、うん、絶対そうだ。ここは知らない世界なんだ。うん、きっと。


だから歴史の問題を出されてもわかる訳も無いし、本を読んでいる=勉強ができるとは限らない。まぁ、そもそもやる気が無い者にそんなものやらせようと言うのがそもそもの間違いだが。そこは置いておこう。


「エリス、聞いているのか」


「なんだ」


父は大きなため息をつきながら言った。


「その口調を直し、歴史の試験で満点を取れ。それが出来ないなら、お前を外に連れ出すことは出来ない」


「んなッ⁈なんだと⁈ふざけるなぁぁぁああ‼︎‼︎絶対に私は外に出てやるっ!私は自由に生きるんだ‼︎」


私は父に駄々を捏ねてみた。中身が成人済みだと思うと痛いが、外見は子供なんだ。特に問題は無い。少しだけ憧れていたんだ。こうやって甘えると言うのを、皇族の時は誰かに甘えるなんて絶対にしてはいけないと思っていたし、したらその弱みに漬け込まれるだろうと思っていたから。


「別に、他の教科は満点なのだから良いだろう。家庭教師は褒めていたぞ。お前の歳で学園卒業試験レベルの問題が解けるなんて素晴らしいと」


学園とは12歳から18歳までを対象とした子供たちが学ぶ学舎だ。特に貴族は基本的に入学が義務化されており、大公の娘である私ももちろん入学しなければいけない。ただ、父曰く大公の仕事を一部やるのだから、勉強はさっさと終わらせた方が楽だと言う結論に至っているらしく、そう言った面で、父は満点を取らせるために条件を設けて言っているのだろう。


まぁ歴史なら一度読めばなんとかなる。早く片付けてしまおう。


__________________________________________________






「はぁ、面倒臭い」


「そんなことおっしゃらずに」


今は授業中だ。正直舐めていた。歴史が長すぎる。約6000年分の歴史を今学んでいる。そして新しく知ったが、この世界は私が生きていた世界とは違うと勘違いしていたが、どうにも違うらしい。このセレス王国は元はセレスティア帝国だったらしいそしてセレスティア帝国は元々フィスガ帝国だった。そして、フィスガ帝国は元々ワステリス帝国で、その国の元がエルファス帝国だったとか。つまりこの国は昔エルファス帝国で、エルファス帝国の現在がこのセレス帝国なのだと言う。因みにエルファス帝国が滅亡した原因は私だそうだ。


私が死に、その後私についていた者たちが次々に殺され、英雄だと崇められたリステード・ワステリスが皇帝として即位し、新たな国が生まれた。同じ様なことが何度も続き、結果的には今のセレス王国になったようだ。

まぁ子供を作るつもりが無かったから遅かれ早かれエルファスは滅亡しただろう。だがそうだな、私を慕って、信頼して、私のために動いてくれていた者たちにはm唖わけ無いなとは思う。私とて人間の心くらいは持っているし。


まぁ、そんなこんなでこの世界の歴史についてさまざまなことが学べた。あとは試験で満点を取れば良いだけなんだが、いかんせんやる気が出ない。面倒臭いという気持ちが勝ってしまう。


「それでは今日はここまでに致しましょう。明日はもう少し時間が取れるので詳しくやりましょうね」


「あぁ、」


そして家庭教師は帰って行った。


コンコン


「誰だ」


「俺だ」


なんだ父か、入って良いと合図を出した。そうすると父は進捗はどうだと聞いてきた。よくわからないがいい感じだと伝えておけば、問題ないだろう。


「お前に聞きたい事があったのだが、エリス。お前はどこで魔法を習った?書斎には魔法の本は一冊も置いていない。何故なら危険な物もあるからだ。だから本からは学ぶことなど出来ないはずなのに何故あの時お前は剣を精製することが出来た?」


あーーーーーー…面倒臭いな

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