第一話 私 【エリス視点】
誤字脱字があった場合教えてください。処女作なのであんまり進まないかもしれませんがどうぞよろしくお願いします。
これはフィクションです。
私はエリス・ヴィ・エルファス。10歳私は上に合わせて7人兄と姉がいる。下には5人ほど弟と妹がいる。勿論腹違いだ。
この国エルファス帝国は秩序を司る国。隣国は自然を司る国と言った感じで、それぞれの国ごとに一人一人神々がつく。彼らによって私たちの生活は成り立っている。彼らの加護により私たちは平和に暮らしていた。
然し、ここの所国内情勢が危ぶまれている。私自身は王位継承などするつもりはないし、私には尊敬している姉がいる。この国は男尊女卑といった差別がない分女性も肯定になる事がある。だから私は、そう、エミリア姉様を女帝としたいと考えているから皇帝になどなるつもりがなかった。きっと姉様もわかっていると思っていた。だから姉様からあんな質問をされると思っていなかった。
「エリス、お前は女帝にならないのか?」
「…姉様私は冗談が嫌いです。姉様はわかっていると思っていたのですが?」
「すまないな、最近場内もピリついてきていてなお前の意見も聞こうと思っていたんだ。」
私はジトーっと姉様を睨んだ。相変わらず何故か私が女帝になるのか聞いてくる輩が多い。私はならぬといつもいっているにも関わらずだ。懲りないな全くとため息を吐いた。
「…私はお前が女帝になるべきだと思う、お前の兄アルギーノは正直いい皇帝になると思えない…。私たち兄妹の中で一番優れているのはお前だ。」
「エミリア姉様私は女帝になるつもりなどありません」
私はキッパリ言い放った。もし私が一番優れていようが私はあんな面倒なものやりたくない。これが一番だ。私は面倒くさい事はやりたくない主義なのだ。
「お前はなぁ、はぁ…全く、この兄妹の中で一番学問に優れている者は誰だと思う?」
「エミリア姉様」
「…じゃあ戦闘能力が高いものは?」
「エミリア姉様」
「…一番将来を期待されているのは?」
「エミリア姉様」
「全部お前だよ、馬鹿。まさか皮肉なのか?」
私は素直にそう思っていたのに。と不服そうな顔をした。実際問題私は戦闘能力が高いと噂されているがそんな物で工程となるものを決めていいのか疑問に思う。
「…お前が考えてることはわかるよ。私も戦闘能力で決めるなんて馬鹿げている。でもこれは【しきたり】だ。いずれ私たちは殺し合うだろう。次期皇帝を決めるためにも」
「姉様私…辞退してもいいですか。面倒くさいです。」
私は嫌そうな顔、基めんどくさいという気持ちを顔に表した。姉様がそんな顔しても無理に決まってるだろと言った。姉様の綺麗な挑発が風に靡きながら私の方へ流れる。相変わらず綺麗な髪だ。まぁ、【しきたり】だとか意味の分からないことをする必要があるのか?とは思うんだがな。
「恐らく末の弟、デギオンだったか、あれが6歳になればすぐに始まるだろうな」
私たちエルファス皇族にはある呪い、いや、契約がかかっている。それは所謂蠱毒と似たものだ。兄妹総勢13人で殺し合い次期皇帝を決める。これは大昔に決められたものだ。しかも、民たちはこのしきたりを知らない。いや、正確には知らされないのだ。死んだものたちは自ら王位継承権を破棄、若しくは病気で亡くなったとか適当な理由を付けて誤魔化してきたからだ。今までもそうだった。
ただこれの利点はある。皇帝の能力の高さがわかり、国の質が向上する。特に我が国は秩序の国として他国との戦争、国内での紛争を固く禁じている。もし、戦争が起きた場合、速やかに皇帝の名の下に裁きを、実力で排除するべしと約束されているのだ。その為、皇帝は何よりも戦闘能力が高くなくてはいけない。他の国に負けない強い国であるためにも。
後一年。それがタイムリミットだ。それまではこの兄妹ごっこを楽しもう。そうじゃないと、壊れてしまう。私たちエルファス皇族は特に短命だ。原因はほとんど精神的な病。悪夢が原因だ。手に掛けた兄妹たちが自分を見てるだとか、そういうのだ。まぁ、普通に考えたら血のつながった家族を殺すんだ、精神的に滅入るに決まっている。
私には無縁の話だと思うが。
「エリス、お前は私を殺すか?」
あぁ、このときなんて答えたんだったか。一年前のことなんて忘れてしまった。私の足元で横たわっている兄妹たち。そこにはエミリア姉様もいる。エミリア姉様の綺麗な髪が赤く染まる。兄弟たちの服にはああべっとりと着いた赤い体液。鉄の匂いが充満する玉座の間。私の手には真っ赤に染まった剣が握られている。
エミリア姐様、私貴方の事多分好きでしたよ。
殺した時に涙を流すくらいにはね。でも、殺してもいいと思うくらいにしかあなたのこと思ってなかったみたいだ。
「エミリア姉様、あなたを姉様と呼ぶのはこれで最後だ。さようなら私の兄弟たち。そして多分好きだったあなたへ」
グロ苦手だった方すみません。ネタバレはあまりしたくなかったので…