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文明の利器

作者: GONJI

今やこの言葉自体を言われることも少なくなった気がします

「文明の利器」

バブルを頂点とした昭和の高度経済成長とともに育ってきた私は次々現れる文明の利器の凄さを享受してきました

ただ、令和となった今ではその程度?なのかもしれませんけどね・・・


「蛍光灯」

いきなり文明の利器?と思うぐらい普通のものから始めます

今やこの存在もLEDに取って代わられてきていますが、裸電球をぶら下げて生活していたのが、この蛍光灯の照明器具から照らされる光の明るさに驚愕しました

薄暗い中で食べていた食事に大革命が起きました

晩御飯が美味しく見えるのです

美味しく見えるということはそれだけで旨味が増します

今では何もかもがはっきり見えるこの明るさに慣れてしまいました

ただ、当時の蛍光灯はテレビと同じで明るくなるまで少し時間がかかるものでした

なので、人を少しからかう表現に「蛍光灯みたいな人」という例えに使われたこともありました


「瞬間湯沸かし器」

案外地味な存在なのでもう気づかずに文明の利器というものには例えられないかも知れませんが、この瞬間湯沸かし器が家についた時は笑顔になりました

冬の台所の水仕事がどれだけ楽になったか

指先の感覚がなくなるくらい冷たかったものから解放された喜びは一入でした

なんせ毎日のことですからね

そしてこのお湯は洗濯するときにも使われました

これと時を同じくして家庭に換気扇が普及しだしたことも事実ですね

この瞬間湯沸かし器もかつてはすぐカッと頭に血が上りやすい人を揶揄する言葉に使われたりしました


「電気冷蔵庫」

これが現れるまで料理の作り置きなんて出来ないほうが多かったのではないでしょうか?

最初に我が家に来たのはワンドアタイプのもちろん白色ですね

小さな製氷室が庫内の最上部についていて、なんと!氷が家で作れるようになった

井戸がなくても、スイカもビールもジュースも麦茶も冷やせる

ただ当時は、今や当たり前となった冷凍庫なんて存在しないのです

考えてみれば当時は冷凍食品なんて販売されていなかったですからね

でも、今や普通になっている卵を冷蔵庫に入れることはしなかった

なんせ卵屋さんでは卵は籾殻の上に積まれて常温でバラ売りしていた時代でしたしね・・・

そして私の当時の電気冷蔵庫に対する最大の謎は扉が施錠できることでした

これは子供が勝手に中のジュースを飲まないようにしているんだと信じていたのですが真相は未だに不明です

しかし、子供が冷蔵庫の中に入って扉が閉まってしまい出られなくなった事故もありましたので、その防止のためなのかもしれませんね


「電気洗濯機」

一槽式のものです

現在も一槽式が主流ですが当時は洗いとすすぎだけができる槽です

それも水を入れるのは蛇口をひねる人間の約目です

全自動なんてありません、ましてや乾燥機能なんて・・・

洗濯槽も2キロ洗いまでぐらいの小さな槽で、言うなればオーブントースターについているような目盛りが書いてあるところについてあるつまみを回して作動させるのです

そしてこの洗濯機の左右のどちらか片方の上部に上下を挟み込む手回しローラーがついていて、そこに洗ったあとの洗濯物を挟み込んで押し出して脱水するというしくみです

たらいと洗濯板を使って手洗いで洗濯していたことを思えばなんという便利なものでしょう

この時に今まで固形だったものから粉せっけんが出てきたのです


「テレビ」

我が家に始めてきたのは16インチぐらいのブラウン管の白黒テレビでした

街角にテレビがあった時代から家庭に普及しだした大きな理由は東京オリンピックですね

1964年に開催された東京オリンピックをみんなそれぞれが家で見たいのでテレビが一気に普及したようです

このオリンピックに合わせて東海道新幹線も開通したのですから

このイベントはほんと国家の一大事件ですね

最初のテレビはもちろんダイヤル式のつまみを回すタイプで、UHFはまだありませんでした

電源ONにすると画面が明るくなるまで時間がかかるのが当たり前でした

これはブラウン管である真空管が温まるのを待つためです

面白いことに、当時の電気メーカーはこの起動時間がどれだけ早いかを競っていたように覚えています

そしてその後のテレビの一大革命といえばカラーテレビの出現ですね

これはもう驚きでしかありませんでした

何でもカラーが普通の今では考えられない話ですけどね・・・


「クーラー」

エアコンという名称ではありません

冷房専用機です

家に初めてついた時には電源ONの後、家族全員正座して冷えてくるのを待ったのを覚えています

夏場は銭湯に行く前に電源ONにして帰ってきた時はどれほど天国だったか

そしてワンドア冷蔵庫の製氷室で作った丸い氷を手回しのかき氷製造機を使って作って食べたのを思い出します

ただ、電気代は今では考えられないぐらい増加したことを覚えています



「電子レンジ」

私にとってこれはまだ今まで書いたものより比較的新しい感覚があります

これは本当に食文化に革命をもたらしました

時間をかけずにすぐ温められる

やかんでお湯を沸かすより遥かに早い

最初、私はその比較で一番凄いなぁ!と思ったのです

電気冷蔵庫に冷凍庫が当たり前にあるようになり、保存方法に冷凍するという選択肢が広がり、それをすぐに解凍でき、温められることもできる

画期的な文明の利器です

冷凍食品がどんどん増えてきたのもこの電子レンジのおかげですね

最初は日本酒の燗酒なんかは味気がないとか、容器の上と下で温度が違うとか、じゃあ、それを杉の箸で混ぜたら杉の風味がしていいとか・・・いろいろなことが言われましたが、今や何の疑いもなく燗酒を作ります

未だに卵をそのままレンチンしてはいけないとか普通に注意喚起されますが、さすがに一時騒然とした猫を電子レンジに入れないでください騒動はもうないと信じています



今やどれもこれも当たり前なものでさらに機能が追加されて便利になってきています

複雑すぎて人間の理解を超えるのもありますが・・・(笑)

この生活に直結した文明の利器は普及と同時に人の生活習慣を変えてきました

生活がどんどん快適になる、自分の自由時間がどんどん増える

それがどんどん実現されてきたのです


ただ、これは当たり前に上下水道が施設され、ガスが不自由なく使え、電気が安定して供給されるというインフラが整備されたから実現できたことですね

この前提を安全に維持することができないと成り立たないという恐怖があります


文明の利器の出現とともに生きてきた私の願いです

「この国で安心して暮らせますように」

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