残念会
「いやー、やっぱりフラれたわー」
「まじ?フレイちゃん結構脈ありだとおもったんだけどなー。あそこの夜景めっちゃ気に入ってたじゃん」
度数の高い酒を水のように飲みながらアレクセイは相棒のフリッツに結果を報告していた。
「まぁあんなに良い娘だと引く手数多だろうからなー。俺じゃ釣り合わんかった」
「そうか? お前は顔こそあれだけど、それ以外は優良だと思うんだがな」
「そこは相手が決めるとこだからな。実際フラレたし」
「そうなってくるとお前、やっぱり近場でアプローチするしかないんじゃないか? フランとか良い娘だろ?」
「お前、フランはテオドールが好きだろ? この間もなんか差し入れしてたし」
「そうか? ありゃ恋愛っていうか兄妹みたいなもんだろ」
「バッカお前、フランの熱い視線!あれはもう付き合ってるね!」
「違うと思うけどな。それじゃレイチェルはどうだよ? 顔は可愛いぞ、顔は」
「むりむりむりむり!怖すぎる! この前彼氏が他の女を見てたとか言って飯に毒を盛った奴だぞ!?」
「お前は毒効かないし、浮気もしないだろうから大丈夫だろ」
「いや、あいつが見てたのはギルドの受付嬢だったんだよ。そんなので毒を盛られたらたまったもんじゃない!」
「そうなのか? あー、じゃあティセはどうだティセ!可愛くて気配りできる娘だぞ?」
「まだ子供だろ! そんな娘の未来を奪っちゃいけない」
「いや、もう18だよ。ていうかお前から見たら全員子供だろ。今年で何歳だっけ?」
「……9」
「はっきり」
「509」
「何回フラレたんだっけ?」
「……」
「はっきり」
「もう忘れたっつーの!四桁はいってるさ!!わるいか!?」
「あはははは!!」
「笑うな!自分から告白したことないやつは黙れ!この女たらし!」
「よく言われる。だがな、俺が抱くことで幸せを感じる女がいるんだよ」
「女の敵」
「何言ってる。俺は老若問わず女性の味方だ」
こうして二人の男の無駄な夜は更けていくのだった。