保健室でのアラートガール
保健室...
俺は両目をやられ、治癒魔法の魔道具であるアイマスクのような物を付けてベッドで横りなり、休んでいた。保健の女性の先生の治療のお陰か目の痛みがひいていた。
「目の方は外傷で目立った所は無いし、中も特に大した怪我はないね。でも念のためそのまま三十分位、安静しておいてね。じゃあ私は担任に報告していくからゆっくりしてな。」
「ありがとうございます先生」
「...ありがとう...ございます...先生...」
ドアの開閉音がして静かになった。目が見えなくなった分、外から聞こえる風の音やほんのり香る薬品の匂い等が今まで以上に感じやすくなっていた。しかし、まさか入学初日で保健室送りとはなんとも情けない失態だ。
それにしても、何故目に痛みも走ったのか分からなかった。魔法を使用中は魔力が消耗され、ある程度は身体に影響が起こるのは学んだが、魔力は僅かにしか使ってないし、それに目をやられる瞬間、形のあるものに目を押されたような感覚だった。
(魔法の誤爆のようには思えないし...もしかして誰かが俺に攻撃をしたのか?しかしそんな器用な奴が居るのだろうか...)
「あんたねぇ入学早々、魔法であんな卑猥な事を堂々とよく出来たわね。」
「!!」
俺が考え事をしていると、隣からあの子の声が聞こえてきた。さっきまでの礼儀正しい言葉使いとは違い、とてもトゲ立ったような声だった。
「目の方はもう大丈夫よ、潰さない程度に水圧で突いたからちょっと瞑ってれば治ってるわ。」
俺はそう言われると確かに目の痛みは殆ど無くなっていた。俺はアイマスクを取り、目を開けると、そこには茶髪でサイドテールで手と足をそれぞれ組んで俺を睨んでいた美少女が居た。
「君は確か隣の席に居た...とにかく助けてくれてあり...」
「あんたみたいな変態にお礼言われたってこれっぽっちも嬉しくないわ。」
「へっ変態...?」
俺がお礼を言い終わる前に、彼女の暴言によって掻き消された。彼女は立ち上がり、急に俺に胸ぐらを掴んで言い放った。
「いい?魔法って言うのは本来、自分の夢を叶える為や大切な誰かを守る為に存在しているのよ!だから私はあんたみたいに自分の私欲の為だけに魔法を利用する奴が一番嫌いなのよ!」
ドサッ!
彼女は俺をベッドに叩きつけ、そのまま立ち去ろうとしていた。そして彼女はドアに手と置いた後に、吐き捨てるように言った。
「けど安心しなさい。あんたの事は告げ口しないわ。そんなことしたらせっかくの私の学園生活の思い出に汚点が残るものね。だけどこの学園で好き放題は出来ないと思いなさい。誰も私の目からは逃れなれないからね?」
彼女はそう言い残して去ろうとしたが、俺はまだ言い切れて無かったことがあるから上半身だけを起こして呼び止めた。
「待ってくれ!君が俺をどんな人間だと思っても構わない。わざわざ、目を潰してここまで連れてきてくれたのは俺警告するつもりだったんだろう。」
「ええそうよ...だからこれ以上は馬鹿な事は...!」
「ただせめてこれだけは言わせてくれ!...俺を保健室まで付き添ってくれてありがとう。」
「...あっそ!」
ガシャン!
彼女は荒っぽくドアを閉めて出ていってしまった。俺は言いたいことを言い終えると、ベッドの所に再び横になった。