見える希望とクラスリーダー
ヒューン...!バシューン!!
俺が投げた純白舞風は道の脇に生えてある木に当たり、そこから学園に向かって突風が吹いた。風に呷られ揺らぐ草花、舞い飛ぶ落ち葉、そして...
バサッ!バサッ!バサバサ!
「きゃあ!?」
揺らめくスカートからチラチラ見えた純白な布端、美しき淑女たちの生パンティー!
「ひょあ!?」
女子達が各々、突然の突風によって呷られたスカートを必死に押さえるが時すでにお寿司!見栄を張ったのかアダルティな下着も露に!
「いやぁぁぁあ!!」
彼方には十五と言えどもまだまだ子供、可愛い可愛い熊さんがチラッと隙間から覗かせた!
「ん?」
更に彼方には、ストッキング越しに浮き出るパンティーも!...しかし何故か本人は気にしてないように見えた。
「お!」
そして向こうには、覗き対策なのか短パンを穿いてしまってる女子がいた。そこだけは残念、しかし俺は、この学園生活のプロローグに最高の挿し絵を貼らせて貰った!その証拠に周りの男子達も真顔で釘付け。脳内メモリーに生涯保存するためだろう。だがあれは流石に目立ち過ぎる。あのままじゃ...
「ぎぃ!ちょっとあんた達!何見てんのよこの変態!」
バコッ!ドガッ!バキッ!
「ぎょえぇぇ!まっまっ待ってこれは...」
「偶然とは言え、女子の下着を覗こうとは...多少、仕置きが必要ですね!」
ドカーン!!
「ぎゃぁぁぁあ!魔法攻撃はよしてくんろー!」
事態は想像以上の大惨事になってしまった。鬼の形相をした女子達があらゆる属性魔法や攻撃魔法で覗き見していた男子に集中放火を浴びせてきた。防御魔法である“魔盾”で男子達はなんとか対抗してるが、流石に入学式で死人を出すわけにはいかん。俺も双方の喧嘩を止めないと思い、戦場に向かった。
「止めなさい君達!!!」
「「「!!??」」」
突然、馬鹿デカい声が学園前に響いてきたと同時に皆の動きが止まった。それに皆が出していた魔法や魔方陣も消えていた。全員、声のする方を向くと、七三分けの黒髪で眼鏡をかけた高身長の顔立ちがいい男がしかめっ面で此方を睨んでいた。
「君達!ここを何処だと思って来てるのかね!我々の夢や未来を実現して頂いてくれる国内随一の魔術学園“アルテミア”だぞ!そして我々は友として、ライバルとしてこの学園で共に過ごす仲間だ!如何なる理由であれ、僕の目が黒い内は決して喧嘩等はさせない!」
眼鏡男がそう断言すると、皆黙ってしまった。と言うか、奴から押し付けられるような威圧が皆を黙らせていた。
ホー...ホー...
何処からともなく謎の声が聞こえてきた、俺達は上を見上げると小麦色のフクロウがこっちを見下しながら飛行していた。するといきなり、脳内に低めのおっさんの声が聞こえてきた。
「新入生諸君、間のなく入学式が始まる。十分以内に学園専用の大広間に来なかったものは...その場で即、退学処分となるのでお早めに...」
俺達は謎のフクロウと男の声よりも、男が言った言葉を聞いて庭に魔法で浮いている時計を見た途端、顔を真っ青にして全員、急いで学園入口に駆け込んだ。俺は周りの生徒に押されながも一緒に走り出して、なんとかギリギリ大広間に着いた。中はとても広く、オーケストラに使うホールのような場所だった。