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属性申断とドリームライフ

家の前...

俺は朝食を終えた後、ビトーに役員を待つと言われて外に出た。空は晴れており、太陽は眩しい位に輝いていた。外から家を見ていると、童話に出てくるような煙突付きの一軒家だった。家を観察していたら、ビトーが俺の頭を軽くポンッと叩いて言った。

「来られたぞ、あの人がお前を申断してくれる役員さんだ。」

俺はそう言われて道の先から来る人を確認した。白いスーツ姿で片手に黒い鞄をぶら下げた六十歳位の男性だった。綺麗なお姉さんだったら良かったなと多少、心の中で残念がった。そして、俺達の前まで来た役員さんは軽く会釈して自己紹介を始めた。

「こんにちはカリラスさん。本日、息子さんの申断を担当します魔術管理塔の役員、ポイぺ・ケルラと申します。」

「こんな遠い所まで御足労様です。ポイぺさん、今日は息子の事、宜しくお願いします。」

「宜しくお願いしますポイぺさん。」

「ほぉ、小さいのに偉いねぇ。親御さんの教育が行き届いておる。」

ポイぺにそう誉められたが、今の中身がおっさんだからなのか妙に恥ずかしい。そしてポイぺは早速と言って、鞄から透明な宝石が付いた指輪を渡してきた。

「ポイぺさん、これは何ですか?」

「それは魔法発現装置(オートマジック)っと言ってな、魔法を使えないものや初めて魔法を使う者でもその魔石から付けている本人の意思で魔法を発現することが出来るんだよ。」

そんな便利な品物がこの世界にあったとは。まぁ逆にこの世界だからあるのかと確信した。

「でも、魔法ってどうやって出せば?」

「大丈夫、私も一緒にやるから、君は私の真似をしてみてごらん。」

ポイぺは優しくそう言うと、俺と隣に並んで魔法の説明をし出した。ビトーは俺達の後ろに立ってただ見ていた。俺は貰った指輪を右人差し指に嵌め、ポイぺの言うことを聞いた。

「まず大きく深呼吸して心を落ち着かせる。すぅぅはぁぁ。」

「すぅぅはぁぁ...」

「次に指輪を前に突き出して、目を瞑りイメージする。身体中に流れる力を腕に集中するように。」

「イメージ...?」

俺はあまりピンと来ないが、取り敢えず言われた通りに目を瞑って想像した。身体中のエネルギーやら気の流れ等を腕に集中させた。すると、俺の腕から何かが溢れてくるような感覚だった。

「わ!わ!わ!なにこれなにこれ!?」

「落ち着いてデリー君。大丈夫、魔法に身を任せて手から魔法を放つイメージをして、こう唱えるんだ。“魔弾(ポーション)”ってね。」

俺は流れてくる力を感じながら、ポイぺに従って腕から魔法を解き放つイメージを考えながら唱えた。

魔弾(ポーション)!!」

ヒューン!

俺がそう唱えると指輪が突然光出し、小さな突風が吹いた。それを見ていた俺は驚いた。自分が本当に魔法を使う日が来るとは。

「ほぉ、風属性とはね。だがこれで君の属性が分かったよ。さぁ、指輪を返してね。」

ポイぺに言われて指輪を外して渡そうとすると、指輪が薄くだが緑色に発光していた。それを受け取ったポイぺは指輪を見ながら、鞄から出したメモ帳らしき物に何かを書き記していた。

「...よし、これでデリー君の申断は終わりです。それではビトーさん、これからデリー君のカードを配布する為、魔術管理塔まで一緒にお願いします。」

「分かりました。デリー、父さん達はこれからお前のカードの為に色々と準備するからちょっと出掛けてくる。夕飯までには帰ると母さんに伝えておいてくれ。」

ビトーは膝を曲げて俺に視線を合わせて言った。俺は分かったっと頷き、ビトー達は家の前にある道を歩いて向こうに行ってしまった。

(意外と早く終わったな、てっきり沢山の書類にサインしたり、面談みたいなことすると思ったが、俺は今は子供だ。)

俺は自分の今の状態に少し感謝した。正直、あまり堅いことはしたくない。だって面倒だもの。それより俺は本に書かれていた一般魔法と攻撃魔法、そして俺が発現した属性魔法を確認して、素晴らしい事に気付いてしまった。

(この魔法(ちから)があれば、エロいことしたい放題ではないか!?)

何故なら、本に書かれていた魔法の中に透視能力や透明能力に似た魔法があれば、あらゆる女性のあんなとこやそんなとこも丸見えに出来るし、風属性なんか手を使わずにスカート捲りが出来る。最高ではないか!俺は改めて空を見上げ、何処かで見てくれる神やこの体の持ち主であるデリーに深く深く感謝した。

「神様、デリー...俺は決してあんたらの恩は忘れねえ!俺は必ず、この世界の女性達を愛せるような男になって、幸せになるよ!」

俺は将来に夢と希望を膨らませて、魔法についてもっと調べようと家の中に入っていった。

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