街道ぶらりストーカー
学園近くの街...
入学式で学園が午前中で終わり、食堂での付き合いがきっかけでニマと一緒に帰るついでに買い物に街まで来た。ここには色々と店舗が並ばれていて、食材専門店から服専門店舗、化粧屋に喫茶店、宝石店など多種多様な店があって私達のような若者には娯楽を味わえる場所だった。
「ねぇねぇシズちゃん、あそこのアクセサリー屋さんで何かお揃いの買おうよ。友達の印みたいな感じの!」
「えぇいいわよ。」
私はニマが友達と言ってくれたのが少しうれしく思い、アクセサリー屋で小さな花弁が付いたヘヤピンを買って着けてみた。それを二人で見合いっこして、お揃いなのを再確認して喜んだ。私達はせっかくここに来たので、人気の喫茶店に行くとしたら、通った店と店の間にある路地裏から怒鳴り声がした。
「てめぇ何しやがってんだ!!」
何やら喧嘩してると思い、私達は止めようと声のした路地裏に回って行った。するとそこにはなんとあの変態が別の男子を見下していた。やけに息が荒々しく呼吸していて、右手には殴ったアザのような物があった。男子の方は殴られたのか地面に倒れていた。
「ちょっとあんた何やってんのよ!」
「デ、デリー君!ら、乱暴はいけないよ!」
「あっ!シズさんにニマさん!何でここに?」
ダッ!バシッ!
私達が顔を見て驚いてる隙に、倒れていた男子が飛び起きて、ニマを突き飛ばして逃げた。
「きゃあ!」
「どけよ!どけ!」
「ニマ!大丈夫、ニマ!あいつ...!」
私は飛ばされたニマを抱き寄せて倒れるのをなんとか防いだ。でも何よあいつ、いくら焦ったからって女の子を突き飛ばすなんて!教育が行き届いてない証拠だわ。それよりも先に、私は制裁を食らわせなきゃいけない奴に向かって言った。
「あんた一体、どういうつもり!!こんな人気の無い所で人を襲うなんて!あんたがそんな屑だとは思わなかったわ!」
私は奴の胸ぐらを掴んで、叫ぶように言ったが、奴が何やらごちゃごちゃ言ってる。
「まっまっまっ待ってくれ!これには訳があるんだ聞いてくれ!」
「言い訳無用よ!この屑変態!今ここで制裁を喰らわしてやるわ!」
私は右手から水色の魔方陣を出して、水玉を出そうとした。だが、威力はこの屑の為に魔力半分の威力でぶちかましてやる!ニマが止めようとしがもう遅い。私の水玉が奴の腹に当たろうとした直前、向こうから誰か女性の声がしてきた。
「待って!その子は悪くないわ!その子はストーカーから私を助けてくれたのよ!」
私はそれを聞いて奴の後ろを見ると、そこには少し跳ねがある白色の長髪の女性が立っていた。それに私と同じ制服、しかも学年分けの為の胸バッチがⅡとあるから私達の先輩らしい。
「ス、ストーカーってどういう事ですか?」
「私が歩いてる途中に怪しい男が何処までも着いてきて、私が人気の無い所に来た途端、襲われそうになったんだけど、その子が間一髪で来てくたのよ。」
ニマの問いに答えた先輩は私達に分かりやすいように答えてくれて、だからその子を離してと言わんばかりにこっちを見ていた。
「ほっほらな言ったろ、訳ありだって...」
私は奴の言葉を聞いて状況を察し、赤面してしまった。それを誤魔化す為に奴の腹にグーパンした。
ドゴッ!
「おごっ!?」
「...さっさと言いなさいよ馬鹿...!」
「言おうとしたのになぁ...」
奴の胸ぐらを離すとそいつは倒れて、心配したニマと先輩が駆け寄ってきた。私は熱くなった顔を手で扇いでいた。