食堂でのクラスフレンズ
食堂...
私達は午前中を属性魔法のお披露目で潰して、昼食になった。皆、それぞれ教室で友達と食べたり、学園の中庭等で食べたりしてた。私はニマと一緒に学園内で開いてる食堂で食べることになったんだけど、どういう訳かあの変態まで付いてきやがった。
「いやぁまさかニマさんに食事に誘われるとは..!今朝といい...ここまでされてちゃあ頭が上がらないよ!」
「えへへっ...これも何かの縁って言うし、それに私達はクラスメイトだよ。困った時はお互い様だよデリー君!」
「いやぁニマさん見たいな聖女様と同じクラスで俺良かったよ。よし!じゃもし困った時は俺を頼っていいぜ。例え火の中、水の中でも力になるからよ!」
「うん!その時は宜しくね!」
(そんな奴に頼ったって、どうせ下心による善意でしょ。顔に書いてあるし。)
あいつの顔はニマとか私ように女子と話してる時は何故かハキハキしていて、少しでもいい印象を見せようと偽善者ぶったような話をしてくる。女にモテたいからか単にお調子者なのかどうか知らないけどあんな気持ち悪い変態に助けられるなんて真っ平御免よ。
「勿論、シズさんにも保健室での恩があるからな!いつでも頼ってくれ!」
「ありがと、気持ちだけ受けとるわ。」
私は目も合わせること無くであいつの言葉を右から左へ流した。まぁこっちにはタネがあるんだから精々、こき使ってやるわ。そう思いながらも私達は食べる席を見つけて座ろうとしたが、あいつが待ってと腕で防いだ。
「なっ何よあんた、急に邪魔して!」
「デリー君...?」
バサッバサッ!
なんとそいつは自分のハンカチを出して、私達が座る所をはたいていた。まるで紳士が自分の恋人に対してのやり方だった。良いとこ見せようとしてるのが見え見えで本当うざ。
「ささっ、どうぞどうぞ...」
「あっ!ありがとうデリー君、なんか紳士みたいだね。」
「はっはっはっ...!当然だよ。なんてったって俺は女性を守る騎手を目指してるからな。俺はどんな時でも女性の味方さ。」
何が騎手よ...先生の下着を覗き込んだ癖に、そんな奴が女を守れると思うのかしら...自己中にも程があるわ。
「へぇ騎士かぁ...えっでもなんでそれを目指すの?」
ニマが素朴な疑問を投げ掛けてきた。するとデリーはフォークで運んだ弁当箱のハムエッグを飲み込み、何か懐かしそうに話し始めた。
「...そうだなぁ、俺にとって女性って言うのはこの世にしかない宝石のような感じだ。綺麗で優しくて暖かい、それ故かとても繊細で貴重だ。だが一部じゃそんな宝石を傷つけ汚して、捨てちまう男が居る。だから俺はせめて目の前の女性を守って、受け止めて、愛す。姫を守る騎手のように...そう言う男になりたいんだ。」
私達は真っ直ぐな目で話す奴の話しを聞いて少しポカンとしていたが、直ぐにニマが言ってきた。
「女性を守る騎手かぁ...すごいなぁそんな大きな夢持てて、私なんか先の事なんて怖くて考えられないよ。」
「そんなこと無いさ、別に将来の事を焦って考えなくても、今この楽しい学生人生を悔いの無いように毎日満喫してもいいんじゃないか?」
「いくつなのよあんた。」
私がそう言うと奴はヘラヘラと頬を掻いて茶化していた。それをニマは笑っていたが、私は笑わなかった。こんな奴が紳士...騎手...冗談はよそで言えって心の中で心底、呆れ返ったわ。