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料理王

「おっと。忘れるところだった。」



俺はおじいちゃんの持っていたバックラーを開き、手を突っ込む。



「うまくいけばこの辺に...」



あった。ログインボーナスのネックレスだ。やった。成功だ。これで、俺が建てた仮説はすべて検証できた。


俺が建てた仮説は、空間を転移できる〈シルトシステム〉があるならもしかしたら空間関係の能力は現実世界でも使えるのでは、というものだ。

そうでもないと、じいちゃんは帰ってこれなかっただろうし、さらに"裏"世界への干渉なんてものもできなかったかもしれない。

魔法で発生した現象には物理法則が適用されるのでうまく働かないけど、空間魔法ならどちらかの世界の法則が適用されるはずだ。

きっとじいちゃんも、何かしらのはずみで"裏"の世界とこちらの世界がつながったときに居合わせただけなのだろう。


ネックレスは次元を超えてやってきたものということになる。

それがこっちの世界でも使えるものかどうか試すには...



「よし。決めた。〔ランダムスキルの石〕を使おう。」



こちらの世界でそれが適用されれば...ぐふふ...


確かこうやって取り外して...あ。



[上級スキル 《料理王(クッキングマスタ―)》を獲得しました。]



「っしゃ!」



スキルは獲得できる。つまり、アイテムは元の世界の物理法則が適用されている可能性が高いわけだ。


さて、《料理王》ってスキルは...

久しぶりに〈インターネッツ〉を使う。この〈インターネッツ〉は〈バースシステム〉なんかよりもはるか昔に制作されたものらしい。

ちなみに、大昔のメルトダウンという事件によって大半のデータが失われているので、正式名称は謎のままだ。手軽に情報が引き出せるので、今でも

重宝されている。



「なるほど。料理がうまくなるスキルか。ゲームではあまり重宝されない料理系統スキルだが、このスキルはほかのスキルと異なり、すべての料理が神がかった速さ、

おいしさ、綺麗さでできあがるという。できた料理は食した者たちに絶大なバフ効果をあたえる...か。」



一人暮らしができるかもしれんな。下手したら店だって...。


家のキッチンへ向かう。すると



「これは...すごいな。何が必要か、どこに包丁を入れればいいかがこんなに明確に...]



ものの10分で筑前煮ができた。めっちゃ光ってんよ...

タケノコとか冷凍なのに一切しなびてない。見た目だけですでに食欲をそそる。

いざ、実食。


30分後。


結論から言うと

...ものすごくおいしい。ただ...



「店とかでこんなもん提供したら...中毒者とか出そう...てかこれ絶対出る。」



食った瞬間のものすごい幸福感とともに意識を手放してしまった。


悔しいが、これを提供するのは身内や口の堅い奴らだけにしよう。


ということで、母親にでも食べさせてみよう。被検体第2号(1号は俺)の誕生だな。

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