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異世界旅道中  作者: あきたこ
ファレル編
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第五話  戦争と戦争の始まり

剣一の一人称が俺になったのは勘弁してください。

朝、傭兵ギルドに行ってみると騒がしかった。どうやら何かあったようだ。聞き耳を立ててみると、


「とうとうベスチッカ帝国とエリ王国が戦争になったか。」


「ああ。どっちにつく?」


「そりゃあベスチッカ帝国だろ。勝ち目なんかエリ王国にないだろ。」


「でもエリ王国の回復薬輸出停止はえぐいぞ。」


「バーカ。ベスチッカ帝国も今まで回復薬をため込んできたんだよ。」


「え!?ならおれもベスチッカだな。」


「そうだな、行こうぜ。」


どうやらベスチッカ帝国とやらとエリ王国とやらが戦争になったようだ。傭兵からしたら稼ぎ時だな。


受付に行って詳しく聞いてみる。


「今回の戦争ではどちらの国も傭兵を募集していて、ベスチッカ帝国の方が金貨5枚、エリ王国の方が金貨一枚となります。この報酬は参加報酬です。後は手柄に応じて増えますね。」


なるほど。ベスチッカ王国の方が報酬はいいな。しかし我の…いやおれの判断基準は違う。


「どうゆう経緯で戦争になったんだ?」



そこから聞いてみると、エリ王国は回復薬の原料である<エリ草>と呼ばれる植物が大量に生える<エリ草大湿原>を領土に持っていて回復薬を特産品にしている。そしてその隣のの国、ベスチッカ帝国はエリ王国とは比べ物にならないくらいの国力を持っているが弱点が一つ、この国エリ草の自国生産が全くできないのだ。ほかの国なら多少はエリ草が生えているところを持っていたりする。しかしベスチッカ帝国はそうゆうところが全くないのだ。そしてエリ王国にこんなことを言った。「エリ草大湿原よこせ。」、と。

もちろんエリ王国は拒否。まあエリ草で今まで周辺諸国に影響力を及ぼしていたのになくなったら大惨事である。しかしベスチッカ帝国はこれを理由に侵攻。今まで平和ボケしていたエリ王国は大慌て。そして今に至る。

………ということです。」


こんな経緯を聞いたおれは決意した。


「エリ王国の方の依頼を受けます。」


俺の判断基準はどちらが被害者かである。なのでこの場合はエリ王国が被害者と俺は判断。だからエリ王国の方を受けた。それだけだ。


「…!わかりました。エリ王国の生き方はこうです。それからは現地で聞いてください。」


後ろの方も並び始めたのでおそらく早く終わらせたいのか、短い説明を受けて次に回った。


(ベスチッカの方を受けていればいいものを。)


シランはそう言いつつおそらくエリ王国の方につくと思っていたのかさして驚かない。


(ん?不利な方がシランも楽しそうだしな。)


俺もね。というか昨日は嬉々として何か準備していたし、それはろくなものではないだろう。


(それもそうじゃな。)


若干声が高くなりつつシランも納得する。そうと決まればさっそく行動だな。じゃ、エリ王国に向かうか。ということで街の外に出た。


(どっちの方角だっけ。)


(んーと、あっちじゃな。)


シランがあっちの方というがどっちだよ。


(ちょっと回ってくれ。ゆっくり。)


回ってみる。


(そっち!そっちの方じゃの。)


さすがは神。ファレルの地理わばっちりなのかその声に迷いはない。


(それじゃ行くか。)


(そうじゃの。)


ということでシランが示した方に全力で走るのだった―――音速を超えた速度ということを失念していて周りの土がぼこぼこになったが気にしないでおこう—--。



そんなこんなで走り続けて三時間。エリ王国が見えてきた。。


(まさか千キロ以上は離れておるのに三時間とはの。)


シランが驚いていたが本気を出すと大体マッハ三くらいいけるので妥当だろう。そしてゆっくりとスピードを緩めていく。しばらくしてエリ王国の門についた。すると門番が、


「何者だ。」


もうすぐ戦争が起きるからかいつもより気をピリピリさせながら聞いてくる。


「傭兵ギルドから来ました、サリーです―――スキル見たときに名前のとこに書いてあった名前を流用している。シランが用意したのだろう―――。」


そうして傭兵カードとやらを見せる。効果は抜群のようだ。


「そ、そうですか!失礼しました。お通り下さい。」



ころりと態度を変えて通してくれたが目が、こんな女じゃ役に立たないし焼け石に水だな、とか思っていることを雄弁に語っていた。しかしスルーしてエリ王国の中に入る。エリ王国はこの王と以外はほとんど村しかないらしい。よく生き残ってこれたな。そこまでエリ草というのは重要なのか。


(そうじゃな。回復魔法もあるがよほど修行をしないと回復薬に勝てんし、同レベルだとしてもいずれ術者の魔力は切れるからの。それこそおぬしクラスでないとな。)


(そうなんだ。)


絶対に俺は使わないであろう回復魔法の知識を得たところでエリ王国の傭兵ギルドに入る。おそらく人が多すぎて入りきらないと思うが説明は現地で受けろと跳ね飛ばされてきたので行くしかないのだ。



そう思っていたが、


「ガラガラやん。」


決死の覚悟の顔をした数人の傭兵がいるだけだった。


「君もエリ王国についた傭兵の一人か?」


数少ない中にいた一人が聞く。


「はい。」


「そうか。ありがとう。エリ王国出身のものとして感謝する。」


どうやらエリ王国出身のようだ。まあそんなことでもない限りこんな条件の差でエリ王国を受ける者はいないか。それかよほどのもの好きか。


(そんなもの付きの一人におぬしも入っとるぞ。)


(勝手に念話してないのに返事しないでおくれよ。)


結構前々から気になっていたが。


(気にすんな。)


気にするわ。まあいいや。


「いえいえ。では説明を聞くので………」


そういった矢先、


「失礼。今回の戦争での説明をしたくはせ参じた。条件の確認をするため集まってくれ。」


そういってエリ王国の軍の人が来た。












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