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異世界旅道中  作者: あきたこ
ファレル編
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第二話 力の確認と町

「ん…んん。」


目を覚ましてあたりを見渡してみると小屋の中にいた。「そうか…ここがファレルか。」地球では寝ていても熟睡というのはなかったので久しぶりの感覚に多少戸惑いながらも思い出す。「というか、声が…」声が女の声になっている。それに目の高さが少し下がっている。身長も変わっているな。つまり…



「体が変わっているのか。」


シランとの話を思い出し周りを見ると、いくつかのものと紙切れが落ちていた。



紙切れを見る。書かれていたのはシランからの手紙だ。


剣一へ

ファレルへようこそ。早速だが落ちているものの紹介をするぞ。といっても三つだけだがの。

一つ目、おぬしの要望に応えて作った剣じゃ。絶対に曲がらぬ、折れぬ、さらに切れ味抜群となったのはいいが、この剣は血を吸わせることでさらに切れ味や硬さが増すという能力がついた―――わざとつけてはおらんよ―――ので把握しておいてくれ。

二つ目、そのリュックじゃな。マジックバッグといって無限にものが入り入れている間はその物の時の流れが止まるんじゃ。さらに取り出すときはそのものに応じて最適な場所---おぬしの半径5メートル以内―――に出てきてくれるからの。

三つ目、おぬしが来ている服じゃな。まるで重さを感じないような服じゃろ?これでもそこらの剣では貫けん防御力がある。まあいらぬ心配だとは思うがの。

では元気でのー。

追伸スキルを見直しておいてくれ。

シランより


ふむ、ご丁寧にも説明してくれたのか。ありがたい。それでは今一度スキルを見直してみるか。見る方法は異世界の知識のおかげかわかった。



名前 サリー 年齢 20歳 種族 真祖トゥルーブァンパイア

スキル

常時発動型 (神)剣術レベル99 (神)心眼レベル99 (神)反射神経レベル99(神)身体強化レベル99 (神)気配察知レベル99 異世界の知識レベル99 (神)真祖の力レベル99


任意発動型 (神)思考加速レベル99


ん?増えている。これは…シランからのプレゼントといったところか?まあいい。とりあえずマジックバックと刀を持って外に出る。森の中と言っておきながらあたりを見渡せば遠くに町があることがわかる。うまいこと選別してくれたようだ。そして任意発動型と書いてある我の唯一のスキルである思考加速とかいうのを使ってみる。ほかのはナニモしなくても発動していそうだしな。真祖の力とかいうのが気になるが分かんないし放置しておくか。


瞬間、世界が止まった…ように感じた。思考が超加速したことによりそう感じたのだ。


動きもその世界の中でのいつもの身体能力が発揮されるのでスピードが周りから見ると段違いになる。



「これはあれか。」


心当たるがある。いつかを境に突然こうなるようになった。あの世界の時が緩やかになる感覚と一致した。

次はこの体の純粋な身体能力か。まあ筋肉とかはなさそうだし女出しであまり期待できなさそうだがな。

軽めに走ってみる。


「うおっ!!」


どこにそんな能力を秘めていたんだ、そんなスピードが出た…が


「少し焦ったけどこれくらいならな。」


そんな独り言をつぶやいてそんな新幹線を超えるようなスピードに合わせていく剣一。これで剣一の感覚では本気の一パーセント出ているかというんだから恐ろしい。そんな中少しずつ実力のギアを上げていく。



ふむ。想像以上の力だな。我の戦い方としては攻撃に一切当たらないという戦い方なのでとても重宝しそうだ。


「そろそろ全力と行くか。」


全力を出して動きながら剣をふるう。もはや音速の域を超え、音速の実に三倍という驚異的なスピードで動き回る。それを完ぺきに制御していく。しばらくして、


「これはいい。」



唐突に動きを止めた剣一。


「これはこの世界での生活も楽しそうだ。」


そう思いながらそろそろ町に行って寝床を確保しなければならないとおもい、町へ向かった。


一分後、試しがてら走ってみた―――本気ではない―――ところ一分で着いた。早い。あの場所から10キロは離れていたような気がする。地球のころなら本気でプラス30秒かかっていた。町にはぐるりと取り囲むように壁があり四方に問がある。門のところには全然並んでいる人はいなかった。ここで初めて気づいたが今は夕方。目を覚ましたころは昼間だったので少し夢中になっていたようだ。


「とまれ。」


「わかりました。」


並んですぐに順番が回ってきた。門番が二人槍を突き出して威嚇してくる。警戒しているようだ。見た目なら若い女が一人で急に町に入りたいといっているのだ。警戒しなかったら逆に困る。しかし、


(弱い)


地球ならともかくとしてここは危険な魔物とやらが跋扈する世界。この程度の輩で大丈夫なのか。とも思ったが特に何も言わない。



「何か身分を証明できるものは?」


「いえ、何も。」


「町に入る目的は?」


「旅をしていて今日はここを寝床にしようかと思いまして。」



「む?にしては荷物がないじゃないか。」


「これでも多少は腕がたちますので。」



別にマジックバックのことを言ってもよかったが異世界の知識スキルによるとあの性能のバックはアーティファクトに分類される高性能のものらしい。まずアーティファクトって何と思うと答えてくれた。どうやら今の文明でも作れるものをマジックアイテムといい、それが児戯とも思える性能を誇る古代の魔法文明などの遺物—--ごくまれに遺跡などで発見されるらしい―――をアーティファクトというようだ。まあそれは置いておいて、


「ふーむ。怪しいな。」


それ本人の前で言うか。


(どうじゃ。調子は。)


うわ!びっくりした。声には出さずに済んだが内心では驚いている。


(頭で思えば通じるわい。そんなに慌てることないじゃろ。)


(シランか?)


(そうじゃ。いろいろと手続きが終わっておぬしの様子を見に来たんじゃ。)


(そうか。)


(それで何を困っておるんじゃ?)


(実は―――)


シランに経緯を説明する。


(そんなことか。なら簡単じゃ。)


(え?)


(なーに任せるのじゃ。—--してな、)




















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