番外編 現代世界の記憶
こんばんは、狼天狗です。
さて、今回はプロローグの一部ですが、封太のザックリとした過去話です。
イジメられた真相は如何に。
次回から本格的に本編始動となります。
お楽しみ下さいませ。
これは、約一年前の話。
季節は大体秋頃だったか。
自分は1–Aのクラスで、席は窓側で、一番後ろ。
このクラスにはリーダー的な存在を持つ奴がいた。名前は忘れた。
俺の人生は、そいつの連中によって奪われた。
そのリーダー的存在のイカツイ奴が、俺の右の席だった訳だ。
俺は中学校の時から人見知りで、他人との交流なんて全くしなかった。だからイジメの対象とでもなったんだろうな。
そのイカツイ奴は、授業は受けているが、殆どサボっている。受ける意味が無いじゃないか。そうチラチラと横目で見ていた。
数日後。とある奴から呼び出され、面倒くさくも、要求に応じる。
連れられ校舎裏に着くと、そこには数人のクラスメイトと、あのイカツイ奴。俺は嫌な予感がした。直ぐにその場を立ち去ろうとしたが、案の定イカツイ奴に腕を掴まれる。
冷汗をかきながらも目を合わせ、息を飲み込む。イカツイ奴がニヤッと笑うと、頰に拳が飛んで来た。何故だ、何故俺がこんな目に合う。俺は何もしていない。ただのストレス発散とでもいうのか。
地面に倒され、かかと落としをされそうな所で、俺の本心が働き、拳がイカツイ奴に命中した。奴を睨むなりパンチを咬まし、ボロボロになるまで反撃してやった。
ついムキになると早とちりしてしまう。そんな性格だったのだろう、自分は。
その後連中は逃げて行き、一部の奴が先生に訴えると言った。まあ、何を聞かれようが俺はリンチされた事を言わない。言っても辻褄が合わないだろう。
翌日。一晩でクラス中に情報が出回ったのか、朝から視線が痛い。そして、陰口。バカバカしい。そして怖い。人間はどうしてこんなに怖いんだ。敵に回したら碌な事がないんだ。
数ヶ月後。その情報は学年中に出回っていた。別に自分は先輩とも関係性が無いし、第一、部活動をやっていない。上からの視線は全く気にしていなかった。
自分は毎日、死んだ両親に拝んでいる。今日会った事や、出来事。両親が生きていても、話し辛い事なんだろう。俺は普通に相談する事ができた。だが、当然返事はない。
更に数ヶ月が経ち、遂には不登校と化す。
そして、遂に自分は覚悟を決めた。
両親には悪いが、ここで人生を発つと。