12話 人里防衛戦②
こんばんは、狼天狗です。
本日もお越し頂き誠に感謝します。
さて、今回は防衛戦②。謎の男登場?
短いの申し訳ないです。余裕がある時、出来るだけ長く書きますのでご了承ください。
それでは、お楽しみ下さいませ。
視点・博麗 霊夢
彼は単独行動をしてしまった。やはり、まだ根に持って居たのかもしれない。別に無関心だった訳ではない。彼とはどうも気が合わない。それは私の所為でも有るのだが。
彼を連れ戻す訳にもいかず、取り敢えず今話した内容通りに動く事にした。
先程から爆発音などが聞こえている人里の北を目指し移動する。
道中の妖怪をお札弾で瞬殺し、霖之助さんを救出する為に先を急ぐ。
暫く進むと、誰かが交戦する音が聞こえて来る。お祓い棒を構え、その場所へと駆け付ける。其処では、霖之助さんが一つの剣を振りながら戦って居た。
相手は其処らの雑魚より大きい、大物の妖怪。確か封太が結界場に来る前に倒したらしいけど、また違う種類なのかも知れない。
妖怪は大鎌を使い、その攻撃を霖之助さんは受け止めながら戦って居た。
「ぐあっ!」
「霖之助さん!」
霖之助さんは攻撃を受け止め切れずに腹元を斬り裂かれ、近くの建物に激突した。
どうやら、タダじゃ済ませて欲しく無いらしいわね。
「覚悟しなさいよ」
お札弾を左手に三つ程構え、地を思いっきり蹴飛ばして妖怪の周りを大きく周る。
大鎌を振って斬撃を飛ばそうとして来る所にお札弾を一枚投げ、爆発で怯んだ所をお祓い棒で攻撃する。
怯んだ妖怪は直ぐに体勢を整え、大鎌による斬撃をクロス状に放って来る。
しかし、私は結界を貼って防ぎ、陰陽玉を四つ出現させて妖怪の頭上から落下させる。
「ギギ……」
「効いてるわね。このまま押すわよ!」
再びお札弾を数枚手元に持ち、お祓い棒を祓って弾幕を出現させて妖怪に飛ばす。
怯んで居た妖怪は避けれずに、弾幕が直撃する。だんだん爆煙が舞い上がる。
爆煙が止むまで様子を見ていると、驚く事に妖怪の姿は其処には無かった。慌てて辺りを見渡すが、気配を感じ取れない。一体何が起こったの?
「いたた……あ、あれは…霊夢! レーザーに気を付けるんだ! 姿を消した時、奴は死角から攻撃して来る!」
霖之助さんの助言を受け、気を緩めず隙の無い構えを取って見せる。しかし、姿を一向に現さない。全方位に弾幕をばら撒いて、様子を伺う。
すると、上から大鎌を振りかぶった妖怪が落ちて来る。素早く交わし、間合いを一気に詰め拳で霊撃を与えた。
妖怪は力無く倒れ、灰となって消えた。
私はお祓い棒を仕舞った後で、倒れ込む霖之助さんの元へと急いで走る。幸い、命に別状は無さそうで安心した。
それにしても、この剣は一体…
霖之助さんに肩を貸し、結界場へと戻った。
視点・霧雨 魔理沙
華扇と共に小鈴を救出すべく、心当たりのある鈴奈庵に向かっている。相変わらず、酷い有様だ。魅魔様が変な研究ばっかりするから…
「魔理沙危ない!」
華扇が叫んだかと思うと、私は地面に這い蹲っていて、目の前には私を庇った華扇の姿があった。
「チッ…外したか」
強く舌打ちをし、悔しがるその人物の正体は、大物妖怪。今の攻撃は、高速の弾丸を撃ってきたらしい。その攻撃を、華扇は拳で受け止めていた。
拳から血を流す華扇。自分は平気と言って、大物妖怪に振り返る。
「どうやら、遠距離と近距離戦を行えるようね」
遠距離とは、さっき撃ってきたあの弾丸。近距離とは、恐らく肉体戦。此奴はかなり厄介かも知れない。
大物妖怪は、何を思ったのか突然笑い出す。警戒をする私と華扇は、状況が読めていない。
その次の瞬間、大物妖怪は手に誰かを握り締めていた。あろうことか、その人物は小鈴だった。この妖怪、人質を取るなんて下劣な真似をしやがる…!
「抵抗したら、此奴の命は無いと思え」
「くそッ…外道め…!」
華扇は悔しがりながら、地面を拳で殴る。と、次の瞬間、何が起こったのか小鈴を掴む妖怪の腕が斬り落とされた。私達は目を疑った。
目の前に黒服の男が現れる。どうやら二刀流だが、一刀しか使っていなかった。
その男が一瞬此方を向いた時、彼の右目から赤色の焔が出ていた。目を見開いた直後、その男は消えていて、いつの間にか妖怪が八つ裂きにされ、灰となって消えた。
暫く呆然としていると、小鈴の事を思い出し急いで駆け寄る。どうやら、気絶しているだけで大丈夫そうだった。
「なあ華扇…今の男、見たか?」
「ええ…まるで人間とは思えない程の俊敏な動き。一体何者なのかしらね。でも、今は小鈴を安全な場所へ運びましょう」
華扇が小鈴を背負ったその時、誰かが私の名前を呼びながら走って来る。人形と共に。
「アリス! 無事だったか!」
「ええ。魅魔からこの瓶を預かって来たの。これを投げて割れば、妖怪達が浄化されるらしいわ」
「早速やろうぜ!」
アリスは頷いて、瓶を持った手を大きく振りかぶる。だがその時、何者かが横通り、気付いた時にはアリスの持っていた瓶は無くなっていた。
「な…!」
「瓶が…盗まれた…? ぐっ…魔理沙、華扇、取り返しに行くわよ!」
いつになく気合を見せるアリスを追いかけ、瓶の行方を追いかけた。
【人物紹介12】
博麗 霊夢
貧乏巫女の博麗霊夢。ある時朱鷺子の私物の本を盗んで売り捌こうとする所を、主人公封太が助けにかかる。その為、二人の関係は悪く、因縁の相手でもある。