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「じゃあここにもう一度サインすれや」
「は…はい」
サインさせたところで双山さん一人を残してそいつらが出ていったのを確認して、血だらけになった双山さんを見て「大丈夫?」と言って駆け寄った。
「ヒィ…す、すみません…です…」私を見ただけでも完全に委縮してしまっていた。
*
新幹線に乗り込み両親や兄に会いに行った。
「すみません」と言って中に入ると、「はい」と言って母が出てきた。
丁度、お昼ご飯を食べに帰って来ていたらしい。
「こんにちは、お昼時にすみません」
「えぇいいのよ。入って?」
「ありがとうございます。突然伺ってすみません、これ買ってきたので召し上がってください」
「まぁこんな気遣いいいのに」
「今日はどうして…?」
「はい、単刀直入に申します、娘さんが会いたがっておられます」
「えっ。娘が…?」
「はい…実はこちらで見た写真立てに飾ってある女性によく似た方を見かけたんです。すごく上品な格好をしていらしたので目立っていたのですが」
「それは本当にうちの娘なのか…?」父が信じられないと言った様子で言った。
「はい、気になって話しかけたんです、そうしたらそうですと…それで…」
「お父さんお母さんお兄ちゃん」私の顔に変身した女性、山田千春がガラガラと扉を開けて入ってきた。
「お前元気だったのか」
想像もしていなかった状況に全員が涙を流した。
「うん、ずっと心配していたんだよ。良かった元気そうで…」千春の演技は完璧だった。
「お前にはすまないことをしたと思っている…すまなかった」
「いいの、こうして元気でいてくれたんだから…」
「事情の方は私の方から余計なお世話だと思いながらも伝えさせて頂きました。心配なさっていましたので」私は言った。
「そうか…」
「私この数年間で海外にもいって洋裁やデザイナーとしての勉強をしに留学までして「Farbe der Blume」という洋服ブランドを立ち上げたんだけど、それが大成功して」
「よかった本当によかったわ」母は泣きながら嬉しそうに言った。
「それで、調度私のお店が忙しくて人手が足りないの。だから手伝って欲しいの」
「それはありがたいが…お前にそこまで面倒を見てもらうわけにはいかない、それにヘブン様にも申し訳ないし」
「ヘブン様?」
「…あなたは名前を呼ばないでその人っていつも言っていた人のことだよ」
「それは、私の方からヘブン様に上手く話して説得しておきますよ」
「・・・」




