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一家  作者: 大和香織子
第三章 数年後
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13

家族の話になかなかならない為、一かバチかに掛けてみたのです。


「ヘブン様、随分前に天の風を私に教えてくれた方々がいましてね。その方々のお蔭さまでここまで自分はやってくることが出来ました。その方々にお礼をしたいのですが、ヘブン様のお力で探して頂けませんでしょうか」



私は無理かなと思いながら聞いたのですが、



「いいでしょう、お前さんには随分よくやってもらっているからね」そうやって言ったんです。


 名前も住所も知らないので、顔の特徴などを説明したんです。


 すると、すぐにピンと来たようでした。


「あぁ…あの信者の事だね、会う価値がそこまであるかどうかは別として会ってみたらいいよ」とそう言ったのです。


 私は、うまくいった、これでずっと心配してきた家族に会えるのだと思い、涙を流してしまいました。


 バレてしまうかとヒヤヒヤものでしたが、その人は私のお金や仕事ぶりに完全に信頼していたらしく、そんなに天の風に入れてここまで来たことが嬉しいのかと、感動して涙を流したんです。


 鬼の目にも涙です。


 そして、その日は上手く言ったと家に帰り大喜びしました。


 しかし、後日「天の風」の代表格から「ヘブンさんからの伝言です」そう言って呼び出されたのです。


「例の信者に会わせようと思っていたが、やはり個人情報の関係で難しい」とおっしゃっていたと言い始めたのです。


 その人と言うのは、こういう人なんですよ、一筋縄ではいかない。


 その人の言葉を鵜呑みにして喜んだ私が馬鹿でした。


 これは、その人が私が持っているお金を巻き上げる為の戦略であろう事は、今までの事を思ってもすぐに分かりました。


 そこで「個人情報を買ってもいいですよ。五百万円でどうでしょう」と代表格を通して伝えてもらいました。


「お金の問題ではない」との返事だったので、一千万円でどうかと言いましたが、返事はNOで、3千万円でどうでしょうと言うと、「お金が沢山ある事には変わりはないですけどね…」そうやって言いました。


「じゃあ、一億円でどうです?」


「…お金はそこまで重要ではありませんが、あなたの熱意に負けてしまいました。あなたの夢を叶えるということで、特別にお会いさせてあげましょう。その一億円は寄付金として信者の皆さんで使えるものを買いましょう、この事は他言しないようにね、もしそのような事が知れ渡ると私の信用問題にも関わってくるし、あなたも何を言われるかわかりませんしね、しっかりその約束が守れると言う事であれば、私が願いを叶えてあげましょう」


 恩着せがましく言うその人の図々しさにナイフで刺殺したくもなりましたが…まぁそんな事をしても損するのは結局自分なのですから我慢して有難く思うフリをしたのです。

 

私は一億円振り込みました。


ただお礼を言いたいだけで一億円も支払う事を怪しく思っていないだろうか心配になりましたが、その人はもっとランクを上げて欲しいと私が思っているのだろうとおもったみたいでした。


 そして後日、その人から何日の何時にどこどこに来るようにと連絡が入ったのです。


 その人の事だから、今回も何か言ってお金を釣り上げてくるかもしれないと思い、あまり期待しないで、その場所に行きました。


 その場所は地方で田舎でした。


 家が一軒一軒飛び飛びで立っているようなそんな場所でした。


 新幹線を下りて、レンタカーを借り住所をナビに入力して目的地に向かいました。


ナビ通りに車を走らせ、途中、道の駅に寄って休憩しながら3時間ぐらい車を走らせてやっと到着しました。


  そこは、築百年くらいの趣のある家でした。


 インターホンはないようでしたので、「すみません」と言って玄関をガラガラと開けようとしたら、中からおばさんが出てきました。


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